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2016年10月

ジルコニアセラミック冠はめっちゃ硬い!

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左上6の頬側歯肉根尖部にアブセス発見!4年半前に生活歯にジルコニアセラミック冠をかぶせたのだが,失活したか!

 

 

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デンタルX線撮影をしたらこんな感じ.左上6根尖部に陰影を認めます.あちゃ!根尖病変が出来てます.

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4年半前の写真と比較すると,4年半前にすでに左上6の根尖に微妙な影が見られるではないですか!と,いうことは,4年半前にジルコニアセラミック冠をかぶせる前に根管治療をしておくべきだった,ということです.これは反省すべきこと!今後,最終補綴をする際には,疑わしきは疑って,しっかり根管治療をしてから最終補綴に入るべきである,と反省しました.

 それにしても,ジルコニアはめっちゃ硬い!冠除去にあたって,新品のダイモンドバーを4本つぶしました.

 

 

本日は,ザイーブインプラントの上部にジルコニアセラミック冠を装着しました.

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この写真は,アバットメントを乗せる直前のザイ―ヴインプラントのプラットホームの咬合面観です.インプラントの埋入は7年半前ですが,最近,アバットメントを固定していたネジの緩みから上部冠が動き出し,結局,アバットメントと上部冠を同時に再製作することになったものです.

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インプラントに規定のトルクでアバットメントを接続した状態です.着目していただきたいところは,インプラント頸部周囲の歯肉に発赤や腫れがないところです.初回の治療後,7年半たっていますが,インプラント周囲の炎症は全く認められません.

 

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装着する上部冠は,このようなジルコニアセラミックをCAD/CAMで削り出して製作されたクラウンで,いわゆるオールセラミック冠です.

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ジルコニアセラミック冠が装着された状態の咬合面観.

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上部冠が装着された同インプラントの本日のデンタルX線写真.

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これは7年半前の初回治療終了時のもの.注目すべきは,辺縁骨のレベルが,現在と当時とを比べてほとんど変化がないということ.7年半経過しているけれどもインプラント周囲に炎症がなければ,マージナルボーンロスは極めて軽微であることを物語っています.インプラント周囲に炎症を起こさないように管理することが,大変に重要であるということです.

 

 

 


 

 

今日は,歯頚部カリエスについて考えます.

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今日の症例ですが,ポーセレンメタルボンド冠が装着された前歯の歯頚部にカリエス(むしば)があります.このような歯頚部カリエスは日常臨床でよく遭遇します.人工のかぶせ物と歯の移行部が不適合で段差がついているとプラークが溜まり易いことや,プラークコントロールの不良が原因です.

 

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この前歯のデンタルX線像ですが,歯冠と歯根の境目の黒く抜けている部分(矢印)は,歯の実質が虫歯で溶けて消失しています.この実質が消失している部分は,歯肉縁より下方で臨床的な対応が難しい部分です.つまり,正確な充填操作がしにくいこと,そしてあまり欠損が根尖側に及ぶと,生理的な歯肉や歯根,歯槽骨の位置関係を破壊することが問題です.すなわち,生理的な状態の歯は,歯槽骨頂から上方に約1ミリの結合織性付着,さらにその上方に約1ミリの上皮性付着が存在し,この両者を足した約2ミリの幅を生物学的幅径(さらに歯周ポケット1ミリを加えて3ミリとすることもある)と呼んで,健康な歯周組織の維持に必須と考えられています.つまり細菌に対するバリヤーです.虫歯が根尖側に向かって根面深くに及んだ場合,この生物学的幅径を侵し,この部に細菌感染を許す結果,歯周炎を引き起こし,やがては抜歯になってしまうのです.

 

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頑張って歯冠を除去し,軟化牙質(虫歯)を取り除くと,メタルコアと健全な象牙質が残ります.この健全な歯面は,歯肉縁下2ミリ弱のレベルだったので,何とか生物学的幅径の機能は温存できると考え,この歯を保存修復することに決定しました.

 

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本日は時間なく,コンポジットレジンで,大きめの支台築造を行うにとどまりました.次回は,このコンポジットレジンの支台をプレパレーションし,印象してクラウンを製作予定です.何でもかんでも抜歯して,インプラントにするわけではありません.保存の可能性のあるものは,極力,保存を考えます.

 

本日は,80歳女性の左下67インプラントにジルコニアセラミック冠を装着しました.

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右写真は,80歳女性の左下67相当部に植立されたストローマンインプラントの上に,ソリッドアバットメントが接続された状態のものです.

 

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そのソリッドアバットメントの上に,ジルコニアセラミッククランを装着しました.

 

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80歳でも,全身状態は大変良好で,インプラントオペも何の問題もなく受けて頂いております.そういう方には,インプラントは,ご自分の歯と同様によく咬めるので,とてもよいものと思います.インプラント治療に必要なものはフィジカルの健全さで,実年齢とはあまり関係ありません

                                                                    

 

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左下5はオトガイ孔が存在していたので,インプラントを67に2本植立し,カンチレバーブリッジとしています.

 

 

 

本日は,左下7相当部のインプラントに,ジルコニアセラミック冠を装着しました.

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ジルコニアセラミックは非常に硬く,その硬さはメタルと同等と言われています.そのジルコニアセラミックで作製したクラウン”ジルコンザーン”を,本日は左下7相当部インプラントに装着しました.

 

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左下7の咬合面は,一般的に強い咬合力がかかるので,破折しにくいジルコニアは,上部冠として良いマテリアルと思います.

 

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実は手前2本のインプラントは,3連冠のクラウンを装着していましたが,今回,左下7部のセラミックの破折に伴い,左下7の単独冠として再製したものです.

 

本日は,口腔乾燥を伴う舌炎を診ました.

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本日の症例.舌の正中に,ハート形の赤い部分があります.表面は他の部分よりもつるつるしています.訴えておられる症状は,舌の痛みと口腔の乾燥感です.

 

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口蓋中央の粘膜にも,やや赤い部分があります.また,同様にひりひり感を伴っています.

 

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 他の口腔症状として,最近,歯の着色が気になってきたそうです.

このような舌の状態の診断は?正中菱形舌炎にしては,その定型像からやや外れていますし,口蓋にも同様の症状を伴いますので,やはりこれは炎症だろうと思います.着色も,唾液の分泌が低下しているので,汚れが付きやすいのだろうと思います.

 このような舌炎は口腔乾燥と関連していると推察できますが,その口腔乾燥の原因が何かという点は重要です.内科的には,糖尿病やシェーグレン症候群,薬剤の副作用による口腔乾燥,などが考えられるでしょうが,それ以外の可能性としては口呼吸による口腔乾燥もあり得るでしょう.

 今後,内科的な探索とともに,歯科的には口腔清掃を継続しながら,口腔乾燥の原因を探索していこうと思っています.

 

 

 

本日は,左上1の抜歯,即時インプラント植立をしました.

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右デンタルX線写真で示す左上1は,歯根破折を認めるため,抜歯と決定しました.

先ず,周囲骨を挫滅させないように,注意深く歯根を抜歯.続いて,即時にインプラントを植立します.

抜歯後,即時インプラント植立のメリットは,良いポジションを確保し易いことです.

 

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 使用するインプラントは,ストローマンBLTインプラント.SLAactive, 径3.3長さ14mm,Loxolid です.抜歯窩の根尖相当部付近にエントリーポイントを設け,埋入窩洞を形成し,インプラントを通法に従って埋入します.埋入深度は,プラットフォームが歯肉縁下3.5mmとなるレベルまで埋めます.

 

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ほぼCT画像上のシュミレーションでイメージしたポジションどおりに埋入できました.

 


埋入後のデンタルX線写真

 

 

 

 


 

 

 

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オペ前のCT画像でシュミレーションされたインプラントポジション

 

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アブフラクションについて

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本日のコンサルのケースです.歯頚部の楔状の歯の実質欠損のうち,強い咬合力が原因で発生するものをアブフラクションといいます.右写真においては,右上5,4,および左上4の歯頚部に楔状のえぐれた部分が存在しています.これは歯が強い咬み力を受けて変形した結果,エナメル質に亀裂が入り,それがきっかけとなって楔状の実質欠損が出来上がると考えられています.

 

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歯頚部がえぐれていますが,虫歯ではありません.咬み力で生じた歯の表面の亀裂がこの状態をつくりました.

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強い側方力を受ける複数の歯が,同時に同様のえぐれた状態を呈するのがアブフラクションの特徴です.

 

 

 

本日は,左上顎臼歯部にストローマンインプラントを2本,植立しました.

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右写真は本日のインプラント植立部位です.左上③④56の延長ブリッジの支台歯のうち,左上4を根面齲蝕のため抜歯することにし,それより後方は歯がなくなってしまうので,左上4を抜歯後,抜歯窩に即時インプラント植立,左上6にインプラント植立し,インプラント支台ブリッジを作製する計画を立てました.

 

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左上4の抜歯窩にはストローマンSLActive Loxolid, 径4.1 長さ12mm, 左上6部には同インプラント径4.1 長さ10mmを植立しています.左上6部は洞底までの距離が約6mmと近かったので,サイナスエレベーションを併用しました.

 

 

本日は他院で治療を受けられたインプラントを診させていただきました.

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天然歯の右上1と左上1は歯根破折を起こしており,また根尖病変も認めることから,抜歯と決定しました.患者さんは,そのあとの処置として,追加のインプラントの植立をご希望されず.右上32と左上2の既存のインプラントを支台としたブリッジを希望されました.

 ところで,隣在のインプラントは,当院で治療したものでなく,5~6年前に北海道の歯科医院で治療を受けられたものです.そこで,患者様からお聞きした北海道の歯科医院に連絡したところ,30分ほどして相手先の院長先生から電話が入り,インプラントのメーカーとそのタイプを親切に教えて頂けました.

 インプラントメーカーはノーベルバイオケア社だったので,必要なパーツの準備は容易です.一流メーカ―なので,当地の営業の方に連絡を取ると,すぐさま必要なパーツとその入手法につきご案内頂けました.

 今回のケースでは,他院で治療されたインプラントは良好に経緯していました.そして,問い合わせにも誠実にご対応くださり,相手先の歯科医院に好感が持てました.また,ノーベルバイオケア社の営業マンの方も,当方の問い合わせに迅速にご回答くださり,まことに気持ちのよい対応でした.インプラント治療は一生ものなので,転勤などで,途中で担当医が変わったとしても.このようなスムーズな連携がとれれば患者さんも安心だろうし,この仕事に携わる歯科医師としても清々しいです.仕事とはかくありたい,と思えた一日でした.

 

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