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2013年4月

本日は右下6ストローマンインプラントに上部冠をセットしました。

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 本日装着予定の右下6ストローマンインプラントにセメント合着予定のポーセレンメタルボンドクラウン。

 

 

 

 

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 右下6ストローマンインプラントにアバットメントをスクリュー固定する前のインプラントの咬合面観。 

 

 

 

 

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 インプラントにこの様なSynOctaアバットメントをスクリュー固定し、このアバットメントの上からポーセレンメタルボンドクラウンをセメント固定します。

 

 

 

 

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  セメント固定が完了した状態。咬合のバランスが悪いので、前方の54はTEKに置き換えました。

 今後、本ケースは全顎補綴ケースに移行していきますが、本来は全体の咬み合わせの中のインプラント治療であるべきで、インプラントだけ先行して補綴物を完成させる事はあまり良くないことです。

 

 

 

今日は右上654のFOPをしました。

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 右上654はいずれも歯槽骨が3分の2程吸収して、動揺が著明となっています。

 本日は、この部位の歯に対して歯肉剥離(しにくはくり)ソウハ術を行いました。 

 

 

 

 

 

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  保険の範囲の手術なので特別変わったことをするわけではなく、根面の沈着物、歯槽骨およびポケット内壁の炎症性軟組織などの起炎因子を徹底的に郭清(こそぎ取ってしまうこと)するだけなのですが、このシンプルな術式がリライアブルで好きです。

確実にポケットが3ミリ以下に浅くなります。地味な処置ですが、歯周組織を長期的に安定させる最もベーシックな処置として重要であり、またこれをコツコツとやるのが好きです。

今日は大阪で開かれた筒井塾咬合コース実習編を受講しました。

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 今日は大阪で開催された筒井塾咬合コースの実習編を受講してきました。

二人の受講生がペアとなり、お互いの歯列模型や口腔内、顔貌、及び全身写真の資料を全員で供覧し、問題点を指摘し合い、その処方箋を発表し、それを筒井照子先生が講評するという形の実習が展開されました。
また、別のグル―プはアムステルダムスプリントとスタビライゼーションスプリントの作製の実習を行いました。
筒井咬合療法研究会では多くのスプリントを使い分けています。
基本的にはスプリントは暫間的に使用するもので、しかも現状を改善する目的で使用します。つまり、治療目的で使用するのです。

 

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  咬合が全身に及ぼす影響が非常に大きいことが経験的には知られています。

しかし、それを裏付けるエビデンスはまだまだ不十分で、今後、このエビデンスの集積こそが歯科界のブレイクアウトのための早急の課題と自分は捉えています。

 

 

 

 

 

 

今日はサイナスリフト後に植立したインプラントのISQ値を測定しました。

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 このパノラマXPはサイナスリフトを行う前の写真。

左上顎洞底は歯槽頂と極めて接近しており、1ミリ以下でした(破線:洞底、実線:歯槽頂)。  

 

 

 

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  同部にサイナスリフトを実施し、その後、二期的にインプラントを植立しました。

本日、オステルメンターで同部のISQ値を測定したところ、3本のインプラントのうち、1本は50台、別の1本は40台の数値でした。
インプラントを植立して6カ月以上経過しているのに、まだ安心してロードさせるレベルに達していません。

 

 

 

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 骨補填剤はベータTCPとハイドロキシアパタイトを1:1に混和したものを用いていますが、インプラント周囲のほとんどの骨が移植した人工骨の場合、インプラントサーフェイスに自家骨がやって来るにはずいぶん時間がかかる様です。

  最近、上顎洞に骨補填剤を入れない方が結果的にインプラント周囲に早く骨がやって来るという報告があり、注目を集めています。超音波でシュナイダー膜を挙上しておいて、洞底に突出したインプラント周囲にフィブリンゲルを留置しておく方法です。洞底にインプラントを固定できる若干の骨があればこれでもよいかもしれません。

 

今日も右上顎にサイナスリフトを行いました。

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 本日は右上顎洞のサイナスリフトを行いました。

慢性上顎洞炎に起因する粘膜の肥厚が見られましたが、剥離は菲薄な正常粘膜よりむしろ容易でした。

 

 

 

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  昨日と同じ人工骨を用いましたが、AFGで粘稠性を確保しておくと摂子で運ぶ際に顆粒がこぼれず、容易に補填できます。

 

 

 

 

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 粘膜骨膜弁を復位縫合し、最後に義歯床縁が縫合部を圧迫しないようにトリミングしてオペを終了しました。

 

 

 

 

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  術後のパノラマX線写真。

かなりたくさんの人工骨が上顎洞の下方に補填されています。
 
 
 
 
 
 

今日は左上顎のサイナスリフトを行いました。

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 初診時のパノラマX線写真。

左上67は残根状態で、埋伏智歯とともにこれを抜歯すると左上顎洞底は歯槽頂と接近しました。
この部にインプラントを植立し、咬合支持を確保する計画を立てました。

 

 

 

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 ラテラルアプローチで洞粘膜を挙上し、骨補填材(βTCPとハイドロキシアパタイトを1:1で混和したもの)を補填しました。
 補填材をスプーン状の器具で洞内に運ぶ際、顆粒がぽろぽろと洞入り口周囲にこぼれて、写真的には美しくありません。
開創部にCGFメンブレンを留置して粘膜骨膜弁を復位し、閉鎖縫合してオペ終了です。

 

 

 

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  術後パノラマX線写真。

 

 

 

 

 

 

 

CTガイデッドサージェリーは必ずしもパーフェクトではない。

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 これは1年半前、CTイメージに基づきCAD/CAMで作製されたサージカルステントを用いてインプラント植立オペを行った自験例の1年半後の状況です。

 歯槽幅の狭いギリギリの状況に対して、フラップレスでCTでガイドされたステントを用いてインプラントを植立したわけですが、術後しばらくは経過良好に見えたものの、一年経過した時点で粘膜を通してスレッドが見えるようになりました。

 

 

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 本日、フラップを開けてみると、インプラント頬側の骨は頸部から尖端まで 存在せず、スレッドが露出していました。

ポジショニングが不適切であったということです。

 

 

 

 

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 インプラントを撤去し、後方のインプラントの近心側のスレッドの一部も術野に露出していた為、エアーSUSブラシと超音波スケーラ―を用いてインプラントサーフェイスの徹底クリーニングを行いました。 

 

 

 

 

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 その後、前回植立した部位の近くの骨幅の確保されている部位を狙ってインプラントを再植立しました。

 

 

 

 

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 そして頬側にFDBAを補填し、4枚のCGFメンブレンでこれをカバーした後、粘膜弁を復位し、閉鎖縫合して処置を完了しました。

 

 

 

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  創の安静が保たれないと補填した骨が多くロスする術式ですので、とにかく口唇を動かさないように、そして流動食のみ摂取して創の安静を保つようにお願いしました。

 

 

 

 

今日は神戸の筒井塾咬合療法コース第6日目を受講しました。

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 いよいよ今日は今回の咬合療法コースの最終日です。
 午前中は顎(口腔)機能障害の話がありました。
いわゆる顎関節症と呼ばれている疾患がある一方で、TMD(側頭下顎障害)、CMD(頭蓋下顎機能障害)、顎(口腔)機能障害、temporomandibular joint pain dysfunction syndrome,
顎関節内障、MPD症候群、咬合病など、顎関節症と類似の症状に対する別病名も多数存在し、ややこしい。

 

 

 

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  ややこしいですが、この領域の疾患の理解と対応が歯科医療の未来にとってとても重要だと思います。

なぜなら、この領域の疾患の患者さんの症状は、頭痛や、肩凝りに留まらず、耳鳴り、めまい、焦点が定まらないなどの視覚障害、聴力障害、うつ傾向、その他症状自体が明確でないいわゆる不定愁訴、など、医科領域の受診につながるようなものだからです。
この様な症状を訴える患者さんは、歯科よりもむしろ医科の方に受診しているのではないでしょうか。

 

 

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 顎口腔機能障害の原因は必ずしも咬み合わせだけではなく、多くの因子の複合によって病態が出来上がっていると考えられます。

しかし、咬み合わせが関与しているものも多くあり、少なくともその部分の医療は歯科が担当するべきです。
咬み合わせは医科ではコントロール出来ないからです。この点において、歯科と医科とが連携して国民の医療に当たる必要がある大きな根拠があります。  

 

 

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  歯科には修復の技術を極めて来たデンティストリーの歴史があり、この部分は今の医科には全くありません。

逆に歯の修復に関する技術以外の知識、すなわちなぜ咬み合わせが狂うと頭痛や肩凝り、視力障害、うつなどの全身症状が発現するのかを説明できる理論基盤が今の歯科にはありません。
顎口腔機能障害においてみられる症状がなぜ起こるのかというメカニズムを説明できるのは、医科の側にある膨大な医学知識とその医学的思考様式を持ってはじめて可能でしょう。

 

 

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 その医学的思考様式に基づく歯科疾患へのアプローチをストマトロジーと筒井照子先生は呼んでいらっしゃいます。  

 

 

 

 

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  今のところ、歯科と医科とが連携する意義が明確な領域は歯周病と糖尿病との関係において明らかですが、それ以外にも咬合を介して病態が発生する領域は医科と歯科とが連携して大きな成果を出せる余地があります。

この様な領域の疾患は、現在医科でも治癒させにくい不定愁訴として対応に苦慮し、抗うつ剤の処方等でお茶を濁していることが推測されます。
このような咬合を介して発症する全身症状に対して、医科歯科連携の強化は大いに効力を発揮するでしょう。

 

 

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  午後には、明石市で御開業の国賀就一郎先生の素晴らしいケースプレゼンテーションを見せて頂きました。

ME機器による診断に基づいた臨床生理咬合を付与する全顎治療の内容は、圧倒的な素晴らしさです。
生理的で、審美的な補綴治療を極めるとこの域に達するのかと思い、今後の精進を継続していくうえでよい励みになりました。また。
インプラントの咬合に関するレクチャーも、分かりやすく、よくまとまっており、大変勉強になりました。  

 

 

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  咬合医療は奥が深そうです。

しかし、きちんとした成果が出せた時に国民にもたらすことのできる貢献の大きさを考えるとき、頑張ってこの医療の勉強を継続していこうと誓った最終日でした。
 
 
 
 
 
 
 

今日は筒井塾咬合療法コース第5日目に参加するため、神戸に来ています。

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 今日は神戸で開催された筒井塾の咬合療法コース第5日目にどっぷりと浸りました。

 あまりに濃厚な内容なので、夕方6時の講義が終了した時点でフラフラになりましたが、その内容はとても素晴らしいものでした。
 ここで、そのすべてを書き記すことはできませんが、印象深かった内容を書き留めることにします。

 

 

 

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  午前中はOSASの講義がありました。

 OSASとは obstructive sleep apnea syndromeの略で、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と訳されます。上気道の閉塞により睡眠時無呼吸が起こるもので、呼吸運動はあります。上気道が閉塞される原因のうち、下顎が後退することにより気道が閉塞するものは、歯科医によってのみ根治療法が可能となります。医科で行われているnasal CPAPは対症療法にすぎず、それを継続しても治癒させる事は出来ません。また、歯科で行われているスリープスプリントにしても、装着することで単に下顎を前進させるだけの装置ではやはりこの病態を治癒に至らせる事はできません。
 治癒に至らせる事が出来るのは、下顎の位置が前進するように歯列を整えることのみです。 

 

 

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 この下顎の位置を矯正装置等で咬み合わせを整えることによって常に前方に位置付けることによってのみ、気道が拡大され、睡眠時無呼吸は発生しなくなります。

それは歯科医によってのみ可能です、つまり、歯列が狂うことにより、下顎全体が後退することが多くあるのですが、この状態を治せるのは歯列を整えることのできる歯科医だけなのです。

 

 

 

 

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 午後からの講義で印象的だったのは、矯正治療で歯並びが非生理的状態になり、正常な生活が出来なくなり、人生を壊された高校生のエピソードでした。

 具体的には、矯正治療後、息苦しくなり、体調不良に陥り、集中力や思考力が低下して退学を余儀なくされ、やがて精神も病んでいきましたが、筒井歯科で生理的な咬合療法と出会ってようやく心身が回復し、人間らしい生活を取り戻したエピソードが紹介されました。
咬み合わせが歯科医療の名のもとに非生理的な状態へと壊されてしまうと、あらゆる面で人間としての機能が低下し、廃人と化してしまうという話は時々耳にします。

 

 

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  矯正治療を受けたことで人生まで奪われるとは本当に怖いことで、あってはならないことだと思います。しかし、現実には矯正治療でこのように心身が病んでしまう例はとても多いそうです。
  咬み合わせが壊れてしまう現象を咬合崩壊と呼んでいますが、咬合崩壊は矯正治療だけでなく、歯周病やウ蝕で歯を失った状態を放置しても起こり得ますし、不適切な歯科修復治療が行われた場合でも起こります。

 

 

 

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  咬み合わせとは、それほどまでに生体の根幹をなす重要な部分に密接に関与していると言えるでしょう。

 咬み合わせが悪くなれば健康を損なってしまいますが、逆によい咬み合わせになればより元気になるともいえます。
われわれ歯科医は咬み合わせを変化させることが出来る立場にあります。
その責任の重大さをよく自覚し、われわれが世に存在する価値を支える咬合療法を科学的な医療のレベルに高めていかなればならないと心から思います。

今日は右上6のインプラント周囲炎のデブライドメントを行いました。

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 メインテナンス時に右上6のインプラントのみに6ミリの深いポケットを認めました。

他のインプラントはポケット3ミリ以内です。
なぜ、この部位にのみインプラント周囲炎が発症したのでしょう?

 

 

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 私はこの部のインプラント上部冠とインプラントプラットホームとの移行形態に原因があると思います。

インプラント周囲炎の直接原因はプラークの停滞による細菌感染ですが、プラークが停滞する理由は清掃性の不良です。
そして、清掃性の不良を招く原因は上部冠の基底面の隅角がエラを張ったように飛び出し過ぎで窮屈であることによると思います。これでは歯ブラシがとどかない!すぐ後方のインプラントはのびやかなラッパ状のアバットメントに移行しているので、この首の部分には歯ブラシがかかるのです。こちらの方がよいと思います。
 

 

 

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 フラップを開けてみるとインプラント周囲には不良肉芽が充満し、周りの骨はクレーター状に溶けていました。

先ず不良肉芽を徹底的に除去し、続いて超音波スケーラ―で時間をかけてインプラントサーフェイスをクリーニングします。
さらに、エアースケーラ―にSUSブラシを接続し、インプラントサーフェイスの表面を時間をかけてこすります。

 

 

 

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  最後にインプラント周囲の骨をソノサージェリーで切除し、クレーター状の窪んだ形態をフラットにしました。

そうすると、平らな面からからニョキっとインプラントがそそり立つイメージになります。

 

 

 

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 最後にフラップを復位し、縫合して処置完了しました。

 

 

 

 

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  術後のデンタルXP。

インプラント周囲の骨がフラットになり、インプラント頸部のラフサーフェイスに清掃器具がアクセスし易くなったと思います。

 

 

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