ホーム>院長ブログ>2016年10月

2016年10月

本日は,インプラント周囲炎オペ後3年半経過した症例のメインテナンスをしました.

2016107114830.jpg

右写真は本日のメンテナンス時のものです.右上顎にはインプラントが複数本,埋入されていますが,そのうち,奥から2番目が3年半前に,奥から4番目が1年半前にインプラント周囲炎を起こしました.その都度,インプラント周囲炎オペをして対応しています.

 

2016107115848.jpg

右デンタルX線写真は,3年半前にインプラント周囲炎を起こした際のものです.奥から2番目のインプラント頸部の歯槽骨辺縁は不明瞭で,そのレベルがインプラント先端部に移動しています.つまり.マージナルボーンロス(辺縁骨の吸収)が起こっていました.

 

201610712257.jpg

この症例で行ったインプラント周囲炎オペのコンセプトは,天然歯の歯周病の場合でいうところの「切除療法」です.

骨縁を切除することで,骨縁レベルを平坦化し,かつそのレベルをインプラント尖端側に移動させることが出来,清掃性が改善されプラークのつきにくい歯周環境を構築することが可能になります.

右デンタルX線写真は現在のものです.骨縁は明瞭で,経過良好です.

 

本日はストローマンインプラント上部にセラミック冠をセットしました.

201610523499.jpg

左下6番7番はストローマンインプラントが植立されています.それに接続され,粘膜を貫通して口腔に突き出しているアバットメントと呼ばれる土台の部分に,これからセラミック冠を装着します.

 

201610523532.jpg

ジルコニアフルミリング・オールセラミック冠が完成しました.これをインプラント上のアバットメントにセメントで固定します.

 

2016105235514.jpg

粘膜上に,ラッパ状にテーパーのついたインプラントカラーの鏡面研磨部分の一部がのぞいていますが,これが良いのです.ストローマン・ティッシュレベルインプラントの非常に良いところは,鏡面研磨された粘膜を貫通する部分がインプラントフィクスチャーと一体となっていることです.この特徴により,適切な生物学的幅径が必ず確保され,マージナルボーンロスが起りにくくなります.くわえて,粘膜下に強いアンダーカットができることがなく,セメントの残留問題がクリアーされます.

 

20161060513.jpg

装着時に撮影したデンタルX線写真です.アバットメントとセラミック冠の適合は良好です.また,アバットメントと冠のマージン部の移行はスムーズで,インプラント周囲炎の原因となるセメントやプラークの残留が起こりにくいことが予想されます.

 

ページ上部へ