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院長ブログ

大晦日の夜、今年一年を振り返る

 もう数時間で今年も終わりだ。実に忙しい年だった。多くの複合的事情により、スタッフ全員がほぼ同時期に退職したため、4月から花ノ宮の診療所を休診にした。そして、活動拠点を香西の浮田歯科医院に移し、あたらしいスタッフを集め、半年間で彼らを教育し、10月から新体制で歯科医院を再スタートさせたわけだから忙しくて当然なのだ。忙しいだけでなく、生涯忘れることのない有意義な一年でもあった。実に多くの収穫があったといえる。

 一年の締めくくりとして、何を教訓として得たのかを以下にまとめてみたい。

 まず一番目に、良い組織とは何なのかというテーマについて自分なりに答えを見つけた。何のために組織が必要かというと、それは組織の運営者である自分が実行したいことを実現させるためだ。目標達成は一人では実現できないから組織が要る。だから、よい組織とは、その構成員が組織が存在する目的をよく理解し、運営者に共感し、良いパフォーマンスを出せるために切磋琢磨の努力を惜しまないような組織、そして運営者は従業員が良い環境で働けるように最大限の支援を惜しまないような組織、それが良い組織だと思う。したがって、良い組織づくりの基本は、何のためにその組織を作ったかという理念がやはり大切だ。当院の理念は「口腔の健康から全身の健康に貢献する」ことだが、きれいごとぬきで、自分の本当にやりたいことは、「人が元気になるお手伝いをすること」、「人を雇用し生活を保障すること」、「税金を納めて社会貢献すること」だ。だから、最も組織作りで重要なポイントを身をもって学んだ。それは自分がやりたいことを説き、それに共感を持ってくれる人を採用することだ。要は採用時にしっかり面接し、運営者にとって良い人財を採用すること、それが最もよい組織作りに重要であることを学んだ。何のために人を必要とするのか、どのような人が必要なのかをしっかりと説明し、協力してもらえそうな人を採ることだ。逆に言えば、やりたいことが不明で、何のために組織を作ろうとしているのか不明な起業者に良い人材は集まらないということだ。昔観た古い外国映画で「荒野の七人」というのがあったが、ユル‣ブリンナー扮するリーダーが貧しい村の民を盗賊から守るために見どころのある人材を一人づつスカウトし、見事に良い職人集団を構成して村を盗賊から守ることに成功するというストーリーだった(これ黒澤明監督の「七人の侍」のリメイクです)。組織のリーダーの仕事の一つはユル・ブリンナーのように見どころのある人材をスカウトすることだ。

 二番目は、自分を支えてくれる従業員への感謝の気持ちを持つこと。そして感謝の気持ちは表現しなければ伝わらない。それは、耳にここちよい「ありがとうね」などという言葉だけではない。相手に関心を持ち、常に気遣うことだ。あるいは時に厳しく指導し、人として、職業人として成長させてあげることだ。つまり教師のような愛情をもって従業員と関わること、それが組織の運営者にとって必要なことを学んだ。経営者ではなく、教育者としてだ。先ず相手を理解しようとすること、そして相手の成長を支えてあげること。そうしなければ院長の本当のハートの部分は理解してもらえない。

 三番目はリーダーの資質について考えられた。良いリーダーはスーパーマンである必要はないが、よい人格を持っている必要がある。良い組織では、なぜ多くの従業員が会社が窮地に陥っても社長を支え続けるのか?最近のTBS SPドラマ「リーダーズ」のアイチ自動車創業者 愛知佐一郎や、本年10月~12月まで放映された「陸王」の宮沢社長は共に仕事にかける熱い情熱と社員を守る強い責任感を併せ持つという高い人格を持っている。高い人格といっても聖人のような特別な人ではなく、普通の人でよいのだが、人として立派な面を持っていることが大切だ。

 四番目は、これはあたりまえのことだが、一人のパフォーマーとしてその夢を実現できるだけの力量を持っていること。いくら人柄が良くても能力が伴わなければ尊敬されない。一人のパフォーマーとしての能力を高める努力を惜しまないこと。

 以上のことをこの一年で学んだ。まとめると、事業で成功するためには、良い人財を集めること、専門領域のエキスパートであること、同時に教育者であること、そして人として立派であること。これらが大切だ。これらが備われば事業者として成功する。来年はよい年になりそうな気がする。

 

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