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2012年8月

今日はオーバーデンチャーを目的として、インプラントを下顎前歯に2本植立しました。

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  無歯顎の下顎にこれから総義歯を作製していく症例です。

顎堤の吸収がかなりみられるので、インプラントで支持する義歯(インプラントオーバーデンチャー)を作製することを計画し、本日はインプラント2本を下顎前歯部に植立しました。
 

 

 

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  ストローマンインプラントRNの 径3.3ミリ、長さ8ミリを左右2相当部に2本植立したところです。

 

 

 

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  プラットホームがほぼ歯肉縁に一致するレベルまでインプラントを埋入しました。

 

 

 

 

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   ヒーリングキャップを装着したところです。

70歳を超えるご高齢の患者様なので、出来る限り腫れたり痛んだりしないように、必要最小限度の切開と剥離で済ませました。
術前にCTを撮影しておくことで、それが容易になります。
翌日の経過観察では、やはりほとんど腫れや痛みは見られませんでした。

 

 

今日は左上顎臼歯部にアストラテッククインプラントを3本植立しました。

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  本日は無歯顎の左上顎臼歯部に3本のアストラテックインプラントを植立しました。
実は、本年の3月にインプラント植立、即時荷重を行ったところ、残念なことに1か月後にインプラントが動揺し始めたため、本年5月にこれを撤去し、創の治癒を待っていたケースです。
 
  インプラント撤去後、3カ月を経過しているので、前回の埋入窩は大部分がほぼ硬い成熟骨で埋め立てられていました。

 

 

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  今回は、通常の方法に従いインプラントを植立し、待時荷重の予定です。

 

 

 

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  それまで、このようなインプラント部が床内面と接触しないように設計されたテンポラリーのデンチャーを装着し、治癒を待ちます。

 

 

 

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   最後方臼歯部は上顎洞底までの距離が短いので、埋入窩から垂直的に洞底を挙上するサイナスエレベーションを併用しました。

 

 

 

 

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  術後デンタルXPです。 

今日は右下7相当部のインプラント周囲炎に対してオープンフラップデブライドメントを行いました。

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  他院で右下7相当部に植立されているインプラントの歯頸部周囲は炎症性の骨吸収を起こしています。

実は、歯頸部の周囲のテーパーの付いた部分はアバットメントで、ストレートの部分がインプラント本体なのですが、両者の接続部分が骨縁よりかなり深い位置にあるため、このレベルまで骨吸収が起こったものです。

 

 

 

 

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  フラップをあけ、インプラント周囲の肉芽組織を徹底的にソウハするとインプラント舌側歯頸部の骨には、プラットホームから、幅が2ミリ以上、深さが5ミリの垂直性骨欠損が見られました。

先ず、インプラントのプラットホームが周囲骨のレベルに一致するまでインプラント周囲の歯槽骨縁を削合しました。

 

 

 

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  次に露出されたインプラントの粗面を、超音波スケーラ―、ならびにエアースケーラ―と音波ブラシで徹底的にデブライドメントしました。

この部分はとても重要なステップなので、しっかり時間をかけました。続いて、テーパーの付与されたアバットメントを除去し、テーパーのない筒状のジンジバルフォーマーに交換しました。  

 

 

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   さらに、周囲骨の一部を削除して自家骨の砕片を作製し、インプラント表面に“エムドゲイン”をまぶした後、垂直性骨欠損部に骨補填しました。

最後に粘膜骨膜弁を復位し、丁寧に緊密縫合してオペを終了しました。

 

 

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   術後のデンタルXPです。

出来るだけインプラントプラットホーム周囲の骨レベルがプラットホームのそれに一致するように、そして、やや深埋めではあるけれども、なだらかな傾斜の底の部分にインプラントが位置するように骨整形したつもりです。
今後、プラークコントロールをしっかり行いながら治癒を待ち、経過良好なら、上部構造の作製に入っていく予定です。  

 

 

今日は右上顎洞底挙上術を再度行いました。

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  珍しいことなのですが、今日、同じ患者さんに再度、上顎洞底挙上術をおこないました。

自分の記憶では、これが二回目です。今年の3月に右上顎洞のサイナスリフトを行ったのですが、創が裂開して、骨補填材がかなり流失してしまったので、今回、再度、骨補填材を追加した次第です。

 

 

 

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  洞粘膜をそーっと挙上すると、前回補填したものの半分程度は残存していました。

その残存した補填材は結構、硬くなっており、5か月程度で、顆粒状であった補填材(高気孔率のハイドロキシアパタイトとβTCPを1:1に混合したもの)はかなり硬化することが確認できました。

 

 

 

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  洞粘膜を下方からバイオメンドとテルダーミスで補強後、再度、骨補填材を充填していきました。

最後に、右上7相当部にインプラントを1本植立しました。
右上6相当部にもトライしましたが、十分な初期固定が得られず、これは断念しました 。

 

 

 

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  前回、創が裂開したのは、切開線が開窓部を横切る形で入ってしまったための血行不良が原因でした。

そこで今回は、切開線が確実に骨面上に来るように十分配慮し、マットレス縫合を交えて、正確に、丁寧に行いました。

 

 

 

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   常日頃、心がけている低侵襲オペの理念とは真逆の高侵襲オペではありますが、必要な時には高侵襲ではあってもやるべき時はやる、という決意で臨んでいます。

  

 

今日は上顎臼歯部のインプラント周囲歯肉の炎症を発見しました。

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  2カ月ごとにメインテナンスで来て頂いている患者様の左上7のアンキロスインプラントの近心歯肉部にブラッシングの痛みの訴えがありました。

ポケットの深さを測ると6ミリの深さがあり、プローブを挿入時の出血を伴っていました。
インプラント周囲炎の初期症状と判断し、エアースケーラ―によるポケット内のデブライドメントと音波ブラシによる歯肉と上部冠移行部付近の機械的清掃をおこないました。 

 

 

 

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   この部位は歯周病で歯を失った際に垂直的な歯槽骨の高さをも失っており、手前の6に比べて歯槽骨のレベルが根尖側に向かって低くなっています。

プラークが停滞しやすい環境なので、定期的なメインテナンスがとても重要です。
早いうちに兆候をキャッチできればインプラント周囲炎は予防できます。
メインテナンスは長期安定予後にとって本当に重要です。 

今日は左上顎臼歯部の部分欠損に対して、アストラテックインプラントを2本植立しました。

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  i-CAT社のLANDmarker システムでインプラント植立をシミュレーションした後、そのデータを同社に送付し、CTサージカルガイドを作製しました。

 

 

 

 

 

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   そのCTサージカルガイドを用いて、左上4、6に2本、アストラテックインプラントを植立しました。

サージカルガイドがインプラント植立の位置と方向、深さをガイドしてくれるので、患者様にとっても、術者にとっても、実にストレスが少ない手術が出来ます。 

 

 

 

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  インプラント植立予定部位の骨の三次元的形態がCT検査で術前に把握できているので、大きくフラップを開くことなくインプラントを植立できます。
 骨が充分ある場合は、あえてCTサージカルガイドを用いなくても、従来通り、フラップを開いて、直視下で、安全確実にインプラントを植立出来るはずだから、CTサージカルガイドを作製する意味はないのではないか?と私に質問した歯科医がいます。
 その疑問に対して私は、やはりCTサージカルガイドの意義は大いにある、と答えます。
 

 

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  安全確実だけを目指すのであれば、従来通り大きくフラップを開いてインプラントを入れる方法でも、熟練した術者であれば可能です。

しかし、術後に腫れない、痛まない手術をしようと思えば、低侵襲であればあるほど、その可能性が高まります。
CTサージカルガイドの有用性は、まさに低侵襲手術の実現にあります。
そして、手術に伴うストレスを軽減出来ることにこそ、その価値の真骨頂があります。

 

 

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  インプラント植立後のデンタルおよびパノラマX線写真です。

 

 

 

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今日は右上顎臼歯部にアストラテックインプラントを植立しました。

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  無歯顎の右上顎6,5,4相当部に3本のアストラテックインプラントを植立しました。
上顎洞までの距離が短く、3本ともソケットリフティングを併用しました。
 
  ソケットリフティングは、サイナスエレベーティングともいい、インプラント埋入窩を利用して、上顎洞底を垂直的に挙上するテクニックですが、側方から大きく開洞するラテラルアプローチと比べて、侵襲がはるかに低くなります。  

 

 

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   翌日の経過観察では、やはり、ほとんど腫れや痛みは見られませんでした。

患者さんのためを思うならば、低侵襲手術を心がけることは重要です。
特にご高齢の患者様には、安心してインプラント治療を受けて頂けることにつながります。 

今夜は駅前のアイリッシュバーで楽しく過ごしています。

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  今夜は駅前のアイリッシュパブ“クレイグ”で、元気のいい若者や本ブログを含めて当院のHP の製作をお願いしているインサイドフィールド(株)のスタッフと楽しく語らいました。
 
真ん中の真っ黒な顔をしている若い男性は、この夏、バケツドラムをたたいてオーストラリアを旅したMASAさんで、その左の女性は本ブログの製作でお世話になっているS嬢です。
初対面なのにアスペルガ―気味の私が気楽に話せるのは、パブのもたらすフレンドリーな雰囲気プラス、彼ら若者が放つ情熱とエネルギーでしょう。何かを求めて旅する心は僕の中にもあります。
  僕は幸いにもやりたい人生の大目標はすでに見つけているけれど、こういった真摯な自分探しの旅人である若者と語らうことは、その目標を追求していく行為を継続するうえで何よりも力になります。若者のエネルギーは素晴らしい!! 

 

今日は高松市歯科医師会と高松市薬剤師会との合同理事会において、私がささやかなプレゼンをさせていただきました。

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  今夜はリーガホテルゼスト高松に於いて、高松市歯科医師会と高松市薬剤師会との合同理事会が開催されました。冒頭で、両会から1題ずつ、最近の話題に関するささやかなプレゼンが交わされました。
  歯科医師会からは、学術担当理事である私が、「ビスホスホネート製剤による顎骨壊死メカニズムに関する最新の知見」と題したプチプレゼンをさせて頂きました。

 

 

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   私の発表の趣旨は、ビスホスホネート製剤は破骨細胞に特異的に作用することで骨吸収を抑制すると考えられてきたが、最近の骨代謝学の知見によれば、破骨細胞と骨芽細胞は相互に影響し合っていることが明らかであること、またビスホスホネートが骨芽細胞にも直接影響を及ぼしているとの報告が出始めていることより、ビスホスホネートは破骨細胞だけに作用しているのではなく、同時に骨芽細胞にも作用を及ぼしていることが強く示唆されてきていることを考慮すると、骨の脆弱化を防止するための本薬剤は、骨をさらに脆弱化させる可能性を併せ持つ両刃の剣の性格をもつ薬剤ある、というものでした。

 

 

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  そういった結論を引き出すために私はその論拠として、基礎的観点からは骨芽細胞と破骨細胞が相互に影響を及ぼしている分子モデルを、臨床的観点からはビスホスホネート製剤を服用している患者では、非服用患者に比較して、大腿骨骨幹部の非定型骨折の発症率が高いという事実を登場させました。 

 

 

 

 

 

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   けっこうバタバタと忙しくしている日々のはずなのに、こういった仕事になると時間のたつのを忘れてプレゼンの資料作りに熱中してしまう私です。

 

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