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症例紹介

今日は上顎第一大臼歯を抜歯して、抜歯窩から上顎洞内洗浄をしました。

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 右上第一大臼歯は歯周病(P4)になっていて動揺が著明なので、本日、抜歯しました。

ゾンデを抜歯窩に挿入すると上顎洞の奥深くまで入り、抜歯窩が上顎洞と交通していることが確認されました。
根尖が上顎洞内に突出していたわけです。

 

 

 

 

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 患者さんは慢性上顎洞炎で耳鼻科に通院しておられますが、歯性上顎洞炎だと思われます。

抜歯窩から腐敗臭を伴う粘ちょうな分泌液が排出されました。
そこで、サクションの先端にビニールチューブをつけ、抜歯窩から生食水シリンジとビニールチューブを上顎洞内に挿入し、洞内を洗浄しました。 

 

 

 

 

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 上顎洞炎は、耳鼻科領域由来のものと歯科領域由来のものの二種類あり、歯科領域のものは虫歯や歯周病が原因となります。

この場合は抜歯などで感染源を取り除くと上顎洞炎は治癒します。

 

 

 

今日は上顎前歯にプロビジョナルブリッジを仮着しました。

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 初診時の口腔内所見です。

前歯部の歯列不正による審美障害を主訴として受診されました。
右上2は確かに口蓋側に偏位しており、見る角度によっては“歯抜け”に見えます。
また、右上1は傾斜して、左上1と非対称です。

 

 

 

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 治療方針として、矯正をする時間的猶予がないことから、右上2を抜歯し、右上③2①ブリッジで審美的に歯列を整える計画を立てました。

 そこで、先ず約一カ月前に右上2を抜歯しました。

 

 

 

 

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  そして、本日、右上③2①プロビジョナルブリッジがラボより届けられました。
下の写真はプロビジョナルブリッジが仮装着されたところです。
右上2抜歯部歯槽の陥凹感はあるものの、歯列は審美的に改善されています。 

 

 

 

 

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今日は右上顎臼歯部インプラント埋入窩が上顎洞と交通し、洞内からの排膿のため、オペが中止になりました。

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 本日は、無歯顎上顎の右上6相当部にインプラント植立を試みたところ、ソケットリフティングを併用して埋入窩から洞底の若干の挙上を試みた際に、洞内から多量の膿が埋入窩へ排出してきたので、オペを中止しました。
 インプラント植立前のCT診断で、右慢性上顎洞炎の存在を認めたため、耳鼻科に依頼して洞内洗浄を数回行いました。
そして症状の改善をみたので今回のインプラントオペに臨んだのですが、上顎洞炎が完全に治癒していなかったようです。

 

 

 

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 そこで、サクションの尖端につけたビニールチューブと、生食水を入れたシリンジの洗浄針をインプラント埋入窩から上顎洞内に挿入し、洗浄液が透明になるまで洞内を十分洗浄しました。

今後、再度、耳鼻科に依頼し、上顎洞の通気性を改善して頂く必要があります。
上顎洞炎の改善が確認され次第、インプラント植立を再トライする予定です。

今日は左上4を抜歯し、ソケットプリザベーションをしました。

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 左上4は根面ウ蝕が顕著で、上部冠の動揺をきたしたため、今回、抜歯することになりました。

 

 

 

 

 

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 抜歯した結果、抜歯窩とそれに隣接した結構大きな骨空隙を認めました。

この骨空隙は後続のインプラント治療の妨げとなるので、ソケットプリザベーションを行います。

 

 

 

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  この空隙をFDBAで補填しました。

 

 

 

 

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 その上方をCGFメンブレンを4枚重ねてカバーします。

 

 

 

 

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 CGFメンブレンをオープンバリアメンブレンとして使用しています。

 

 

 

今日は左下6のFOPをしました。

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 82歳女性の患者様ですが、以前から左下6の歯肉がときどき腫れる症状を繰り返していました。

 

 

 

 

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 しかし、デンタルX線では、特別の異常を指摘できません。 

 

 

 

 

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 そこで、原因を特定するために歯肉剥離して肉眼観察にうってでたところ、やはり近心根に破折線を認めました。

今後の処置としては、抜歯、もしくは近心根のみの抜根が必要と思います。
第3世代のビスホスホネートを服用していらっしゃるので、内科主治医と相談のうえ、服用を中止して3カ月以上待ってから破折歯根を抜去する予定です。

本日は歯周病で咬合崩壊を起こしている患者さんの臼歯を抜歯しました。

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 右は重度歯周病の患者さまのパノラマX線写真です。

両側の臼歯群は上下とも動揺が著明で、咬合支持の役割を果たせていません。
この状態では咬み合わせが全く不安定です。
だから、どこで咬んでよいのかご本人も分かっていらっしゃらない状態です。

 

 

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 すべての歯の歯周病の状態を精査し、右上876、左上45、右下65、左下6を抜歯させて頂き、前歯はブリッジで、臼歯は部分義歯で咬合を回復する計画を立てました。 

 

 

 

 

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 先ず、このようなプロビジョナルブリッジをかろうじて歯根膜感覚を期待できる上顎前歯に装着して、ある程度まで下顎の位置を定め、精神的に落ちついて頂いた後に、本日、左上45を抜歯させて頂きました。

明日は右上876を、その次は右下65と左下6を抜歯し、その後早急に、顎位を安定化させる治療用の(仮の)部分義歯を作製する予定です。
 
 
 

今日はインプラント学会2日目です。

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 2日目の午前は、3人のエキスパートの国内招待講演を聴講した。
 
   まず、一人目は中村社綱先生で、“前歯部審美領域のインプラント治療成功のためのポイントと将来展望”という演題で講演された。
 
   二人目は武田孝之先生で、「補綴的立場から見たインプラント治療の現状と将来」という演題の講演だった。インプラント治療を長期的に経過観察すれば、「異常な力」、「偏った力」の結果として起こる補綴的問題に遭遇する実例を多数紹介され、インプラント治療における“力の管理”、“力のもたらす生体および補綴物への影響に対する洞察力”の重要性を強調された。
 
 今回の学会のテーマが「より適切で確実なインプラント治療へ」とあるように、最新、最先端のカッティングエッジを追求するよりも、歯科医療の本質である、炎症と力の管理をしっかりと行うことが重要だと思った。具体的には細菌感染と真っ向から闘ったり、経年的に変化する咬み合わせをしっかりと観察し対応していく地味な医療が、結局、最も尊いのだ。
 
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 当然といえば当然だが、天然歯の病気である歯周病はしっかりとしたプロトコール下で管理されれば治癒し、そして予防も可能なことはすでに明白であるゆえ、インプラント周囲炎も理屈にかなう手当を治療後も継続すれば予防可能であり、また治癒させる事も可能なことは理論上確信していたが、船越先生の実績を伴う発表を聴き、歯周病の管理のできる良心的な歯科医のもとでインプラント治療がなされ、しっかりとしたアフターケアを受けることがインプラントの長期予後のために極めて重要であることを再認識させられた。埋入の本数だけを誇る打ちっぱなしのインプラント歯科医は、間もなくインプラント業界から消え去るだろう。 三人目は恩師であり、わが国屈指の歯周病専門医である船越栄次先生で、「歯周炎患者におけるインプラント治療のリスク回避」という演題の講演だった。最近のインプラント学会でのトピックスになっているように、インプラント周囲炎の罹患率はかなり高い(40%程度)ことがわかってきており、特に歯周病で歯を失った患者さんではその傾向が顕著であることが知られてきている昨今であるが、船越先生の講演では、インプラント治療に入る前に歯周病の治療を徹底的に行えば、インプラントの長期予後は良好であることが報告され、われわれを安心させてくれた。

 

 

 

今日は博多で開催された日本口腔インプラント学会に参加しました。

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  今回の日本口腔インプラント学会は「より適切で確実なインプラント治療へ」というテーマで福岡国際会議場と、それに隣接する福岡サンパレスホールで開催された。

会員が1万3千人を数える大学会なので、会場も広く、いろいろな会場で多くの一般講演、各種セミナー、ワールドサテライト(海外招待講演)、国内招待講演、ランチョンセミナー、テーブルクリニック、等が同時展開されるので、どれを聴こうかと迷う程内容が豊富で楽しい学会だった。  

 

 

 

 

 

 

 

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  初日の午前は、メインホールで行われた“臨床の疑問に答える”というテーマのセッションを午前9時から12時まで連続で聴講した。

なかでも歯科技工士である辻 貴裕氏の“デジタル技術を生かしたインプラント補綴設計から上部構造製作の実際”という演題は興味深かった。 
理想的なインプラントブリッジとしてチタンフレームにチタン専用セラミックを焼き付けたチタンセラミックブリッジが提案された。キャストの時代には考えられなかったデザインとマテリアルがCAD/CAMの普及と共に現実のものとなった。

 

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  当然、インプラント周囲炎の管理の観点から最近の主流となってきているスクリューリテイン方式が前提となるが、この方式の弱点であるスクリューホールが機能咬頭に設定される可能性を克服する方法として、インプラント植立手術以前のコンピューターによるシミュレーションサージェリーにおいて、テクニシャンと歯科医がコラボしてインプラントのプレイスメントを決定するやり方の提案は良いアイデアだと思った。コンピューターシミュレーションでは、インプラント植立以前の段階で最終補綴物の三次元形態がコンピューター画面上の口腔に反映され、機能咬頭を避ける位置にインプラントをプレイスすることも、慎重に位置決めすれば可能となるからだ。

 

 

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  スクリューホールが機能咬頭に来ない限り、スクリューリテイン方式はセメントリテイン方式に対して圧倒的に優位性を持つ。したがって、デンタルクリニックとデンタルラボが、同じシミュレーションソフトを共有するアイデアは非常に有用だと思う。そして、デジタル化が進む近未来では、実際そうなるだろう。

 

 

 

 

 

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  午後のセッションは海外招待講演を聴講した。最初の演者は著名なノースカロライナ大学のリンドン・クーパー先生で、“On the role of Monolithic Zirconia restorations in implant Prosthodontics”という演題の講演をされた。

魅力的素材であるジルコニアを用いた各種インプラント補綴が紹介されたが、チップしない補綴物が生体やインプラント体そのものに今後どのような影響を及ぼすのか演者も含めて誰も知らない、というコメントは印象的だった。

 

 

 

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 二人目の演者はベルン大学医学部 顎顔面外科講座教授 飯塚建行先生によるBRONJ(ビスホスホネート関連顎骨壊死) の治療に関する講演を興味深く聴講した。 
 

 

 

 

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  現在の我が国では、BRONJに対しては温存療法が主流で、積極的な外科治療は行わない傾向にある。
しかし、飯塚教授はBRONJに対しても積極的に外科治療を行い、口腔内に壊死した顎骨が露出する状態を漫然と放置していないようだ。飯塚教授の講演は何年か前に日本口腔外科学会の特別講演で聴講した経験があるが、非常にシャープな頭脳の持ち主で、クリヤーカットな講演内容であった記憶があるが、今回の講演も素晴らしかった。ビスホスホネートが投与されていても、骨のターンオーバー能にはかなりの個体差があるので、勝算があれば、徹底したインフェクションコントロールの下、外科手術に臨んで、よい成績をあげているようだ。決して流暢な英語ではないが、内容が非常に素晴らしく、日本人が行う英語講演とはかくあるべきだろう。
 夜は博多駅近くの居酒屋さんで夕食を取り、締めはやはり博多ラーメンだった。
 

 

今日は上顎前歯部の歯冠長延長術をしました。

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 不適合な冠を長い間入れていると、冠と支台歯との隙間から細菌が侵入して虫歯になります。

本日の症例もそのような不適合冠が口腔内に多く見られる症例です。 

 

 

 

 

 

 

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 歯肉縁下の虫歯の処理を正確に行うためには虫歯のレベルを歯肉縁上に位置させる必要があります。
そのために、適合の良い補綴物に交換するために冠を除去したあと、歯肉弁を剥離して僅かに根尖側に移動させるとともに、歯槽骨辺縁を少々削合し、歯冠長を延長する処置をしました。 

 

 

 

 

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  歯肉弁を復位後、緩く縫合して処置終了。

  術後2週間ほど創面をCoe-パックで圧接します。 

 

 

 

今日は右上顎5部にインプラントを植立しました。

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 オープンフラップで右上歯槽骨を露出しました。

歯槽骨幅がやや狭かったので、歯槽頂に音波サージェリーでスプリットを加えた後、径0.9mmのイニシャルバーで埋入窩を形成し、以後、オーギュメーターを用いて手圧で埋入窩の径を拡大していきます。

 

 

 

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 最後にアストラテックインプラント・osseospeedTX 径4.0 長さ9mmを植立しました。

この様なアダプテーションテクニックを使うと、適切な初期固定が得られます。

 

 

 

 

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  インプラント植立後のデンタルX線写真です。

 

 

 

 

 

 

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