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院長ブログ

認知症高齢者に歯科医師として出来ること

  平成28年版高齢社会白書は、二宮利治教授(九大)らの研究を引用し、平成24年には高齢者の7人に1人が認知症であったものが、平成37年には5人に1人になるとの見通しを示している。こういった社会の到来を、僕らはどうとらえたらいいのだろう?また、歯科医師としてどう対処したらいいのだろう?今日はそういったテーマで考えたい。

  認知症患者の歯科治療は容易でないだろう。先ず、コミニュケーションがとりづらいだろうし、本人が歯科治療の介入を拒むこともあり得るからだ。しかし、それでも認知症患者の歯科治療は重要である。なぜなら、現時点で認知症の有効な治療法は確立していないので、認知症は予防が肝要だからだ。また、低栄養が認知症の発症や進行を促すことはよく知られている。よって、歯科医療が認知症予備軍の方々の口腔機能の維持、向上に介入することで、認知症の発症を予防したり、初期の病状の進行を抑えたりすることが可能と思われるからだ。われわれ歯科医師の責務はとても重大で、かつやりがいがあると思う。

 しかし、言うは易し、行うは難しだ。現時点で、歯科医療者側は有効な対処の手立てをもっていないといっていい。だから、認知症患者向けの接遇技術の修得は、とても大切にとらえたい。

 今日のテーマは重いものだが、歯科医療従事者にとっては極めて重大なテーマだ。真剣に考えることで、歯科の未来が開けるだろう。少なくとも歯科医師である僕の未来は明るいと思うのだ。

参考文献:服部佳功.認知症高齢者に対する歯科医療のあり方を考える. the Quintessence.Vol.36. No.1. 41-42.2017

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