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院長ブログ

象牙質知覚過敏症(4)~炭酸ガスレーザーの知覚過敏に対する応用~

 今日もしつこく象牙質知覚過敏症だ。ペリオや咬み合わせの臨床では日常的に遭遇するので、自分の臨床をブラッシュアップするためだ。

 象牙質知覚過敏症にレーザーは有効だ。今日は特に当院にも置いているCO2レーザー(ヨシダOPELASER PRO)の知覚過敏に対する応用について書こう。

 CO2レーザーは組織表面吸収型レーザーであり、知覚過敏に応用する際は、連続波(CW)の応用は避け、スーパーパルスモード・リピートモードを用いて歯表面の炭化、亀裂等を防ぐことを心がけねばならない(1)。レーザー単体で多くの症例で症状が消失あるいは減少するが、それでも薬剤の追加が必要な場合は、レーザー照射後に薬剤塗布する順番がいいだろう。レーザーは、知覚鈍麻や組織凝固、細管閉鎖の3つの効果が期待できるが、CO2レーザーは水に対する吸収効率が高いので、特に組織凝固により効果を発揮するからだ。レーザー照射後、細管封鎖の薬剤を塗布するのは理に適っている。

 安定したCaF2の生成のため、CW Cont 0.6W またはSP1 RP 0.6W 100/300msecで照射する。尚、CW Cont とはContinuous Wave irradiation(連続波、連続照射)を、 SP1 RP 0.6W 100/300msec とは、  Super Pulse wave, Repeated Pulse irradiation (スーパーパルス波、繰り返し照射)のこと。SP1 は スーパーパルスモード1を、RPはリピート(繰り返し)照射モードを、0.6Wは照射出力を、100/300msecは分子の100が100msec(100/1000秒)の照射時間を、分母の300msecが300/1000秒の照射休止時間を表している(2)。また、1点に熱エネルギーが集中しないよう、必ずチップを動かしながら照射することが大切だ。

 

参考文献:

1 冨士谷盛興・千田 彰.象牙質知覚過敏症 第2版.医歯薬出版.2013.

2 改定版 SP搭載型CO2レーザー照射マニュアルチャート -31症例ー 第3版. 北九州レーザー研修センター 堀江和彦著. 2007.

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