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院長ブログ

インプラント補綴は高精度が要求される

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このような無歯顎の状態にインプラントフルブリッジを製作する場合は、細心の注意と共に高い精度で作業することが、歯科医院側にも、ラボ側にも要求される。スクリュー固定式だから、多少、フレームとアバットメントがすいていても、ねじ込んでしまえば入ってしまう、と安易に考えてはいけない。許容の範囲を超えた不適合補綴物を無理やりねじ込むと、補綴物か、インプラント体か、または周囲骨がダメージを受けて破壊されるからだ。

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アバットメントレベルの印象採得は、このようなアバットメントの三次元的位置情報をトランスファーするインプレッションコーピングをアバットメントに正確に接続し、各コーピングをシリコン精密印象でピックアップする。このような複数のインプラントの三次元的位置情報を正確に作業模型に取り込む方法はいくつかあるが、今回は、今のところ当院とデンタルラボとで取り組んでいる方法を紹介しよう。

 

 

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先ず、通法通り各コーピングをシリコン印象内に取り込む。この時、各コーピングが口腔内と全く同じ状態を反映出来ているとは限らない。シリコン印象の誤差のリスクがあるからだ。

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左の印象で起こした模型上で各アバットメントに接続したシリンダーをゆるく取り込むような剛性の高いメタルフレームを作製する。このメタルフレームはキャストではない。そして、試適の目的だけに製作される。口腔内で各アバットに接続したシリンダーを、フレーム内のホールに取り込む形とし、その状態で即重レジンを用いてそれぞれのシリンダーをメタルフレームと固定していく。この際、テンポラリーシリンダーとフレームを軽くレジンで固定していれば、スクリューでしっかりアッバットとシリンダーを締結した時点でシリンダーがフレームから外れれば、誤差の存在を示すことになる。ベリフィケーションインデックスとして使用できるわけである。

 

 

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各テンポラリシリンダーとメタルフレームとの位置関係を確認し、その接続を強固にする為、メタルフレームに用意されているホールから即重レジンでシリンダーを固定する。

  むろん、各アバットとシリンダーとの接続を、デンタルXPで確認しておく。

 

             

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結果として、メタルフレームによって束ねられた各シリンダーとメタルフレームが一塊として口腔外に取り出される。これが、口腔内の各アバットメントの三次元的関係を示す正しいインデックスとなる。このような注意深い観察と細心の注意がインプラント補綴には要求される。

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一方、咬合高径や咬合平面の決定には、総義歯臨床の手法がそのまま応用できる。何にもない空間に、歯列を作り出す技術は総義歯臨床の基礎力が必要だ。

 以上、当院で試みているインプラントフルブリッジの精度を確保する一法を紹介した。

 


 


 

 

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