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症例紹介

今日は大阪国際会議場で開催されている日本口腔インプラント学会に参加しています。

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   本日は、大阪国際会議場で開催されている第42回日本口腔インプラント学会学術大会に参加しています。

午前中は第2会場の「若手インプラントロジストのためのワークショップ」を聴講しました。インプラント治療の介入時期ーその役割とタイミングーというテーマで3人の若手演者の発表を興味深く聴きました。なかでも歯周病患者に対するインプラント治療において、どのタイミングでインプラントが介入すべきか、というテーマの発表では、先ずは歯周初期治療を徹底的に行い、感染のリスクが軽減してのちインプラントを登場させるという歯周病専門医の意見には、やはり基本はそうであろうと共感を持って拝聴しました。

  歯周病に罹患している歯に対して咬合力が外傷的に作用している場合、病状の進行を早く止めるためにもインプラントで早めに咬合支持を補強したいところですが、かといって救済のためにやってきたインプラントまで感染してしまったのではミイラ取りがミイラになってしまいますから、これはいけません。きちんと歯周病の管理をしておいてからインプラントを登場させる順番は原則的に正しいと思います。

 

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  午後は特別会議場での国際セッションを聴講しました。

「独米豪に見られる最近のインプラント治療」というテーマで、ドイツからはGerhard Michael Iglhaut先生が、オーストラリアからはPeter Kerrisk先生が、そして、アメリカからはJohn Daren Da Silva先生が講演されました。
先ず、ドイツからは審美領域における低侵襲で行われるインプラント周囲の硬軟組織のマネジメントの実情が紹介され、続いてオーストラリアからはインプラント周囲炎の予防法や治療法についての現状が報告されました。
そして最後に、アメリカから一般歯科医がインプラント専門医の資格を獲得するのに必要な過程やその専門性に対する社会の認知度についての報告がなされました。ちなみにアメリカでは19万人いる実質活動している歯科医に対して、そのうちの何割かがインプラント治療にあたっているけれども、必ずしも彼らがインプラント専門医の資格を有しているわけではないことは日本と同じ状況の様でした。歯科医療におけるインプラント専門医の位置づけが近い将来に確立されるために現在はその模索中であるようです。
我が国における今日のインプラントをめぐる概況もほぼ同様と思われ、世界的にインプラント医療のトレンドは低侵襲で、審美的、そしてインプラント周囲炎の管理の追求に向かっており、その要求水準を満たすことは高い技術水準が必要であるがゆえに、専門性が価値を持つと考えられているということのようです。
 
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   イブニングセッションは第5会場の「インプラント治療に必要な咬合検査法」を聴講しました。顎骨の中で僅かに動く天然歯と動かないインプラントが共存している口腔内で、どのように咬合調整を行うべきか、というのは自分にとっても極めて興味深いテーマです。

日本補綴歯科学会によるガイドラインでは、付与すべき咬合とは「咬頭嵌合位への閉口時に複数の歯が同時に、両側のバランスが取れて、変側4点以上が接触している。弱い咬み締めでの咬合接触位置が強い咬み締めでも変化しない」と示されています。 

 

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 このガイドラインに基づけば、強く咬み締めると25~40μm沈む天然歯と沈まないインプラントの咬合接触は、強く咬んだ時に上記の基準を満たすように調整すればよい、ということになるのでしょう。自分もインプラントの咬合調整は、マキシマムで咬んだ時に上記の基準を満たすように、普段から咬合調整しているつもりです。それでも下顎がインプラントで上顎が天然歯の場合、ハンマーのように強く打ちつける下顎インプラントに負けて上顎のハイブリッド前装冠の咬合面がチップすることがよくあります。天然歯の咬合は常に移ろいゆくものであるだけに、天然歯と共存するインプラントの咬合調整も、常に天然歯と調和する様に咬合調整を継続しなければいけないということになります。インプラントは奥が深いです。

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