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症例紹介

"エムドゲイン"について(1)~臨床例~

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   エムドゲイン?ゲルは、スウエーデンのビオラ社で1995年に開発された歯周組織再生誘導材で、現在、世界中で販売されています。

その主成分はエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)と呼ばれる幼若な豚の歯胚から精製抽出されたタンパクです。
このエナメルマトリックスデリバティヴ(EMD)は、歯周組織の再生にあずかるいろいろな細胞に働きかけることにより、歯周組織を再び獲得(ゲインgain)するので、“EMDOGAIN”という名称がついたようです。

 

 

 

 

 

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   一番上の写真は、2005年の歯周再生療法を受ける前の初診時の右下3のデンタルX線写真です

。右下3の遠心側は、歯頸部からほぼ根尖に至る著明な垂直性骨吸収が認められます。
上から二番目の写真は歯肉剥離ソウハ術を行っている術中のものです。
ここで注意しておくことは、エムドゲインは歯周病を治す薬ではなく、歯周組織を再生する薬なので、エムドゲインの使用前に歯周病の原因となる炎症を惹き起こす物質を徹底的にソウハしておくことが重要です。

 

 

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  上から三番目の写真は、エムドゲインを使用した歯周再生療法を行ってから7年目の2012年7月7日に撮影したデンタルX線写真です。

垂直性骨吸収は消失し、歯根長の半分近くまで辺縁骨レベルが戻ってきています。
明らかに歯周組織の再生が行われており、良好な予後が確認できます。   

 

 

 

 

 

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   一番下の写真は、同日の口腔内写真です。

やや歯根は露出していますが、臨床的には健全な歯周組織を獲得できています。
エムドゲインは、その効果が長期にわたることが知られており、1年、3年、5年と時間が経過するとともに歯周組織の再生が継続している状況が本症例でも確認できます。  
 
 
 
 
 
 
 

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