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2012年4月

今日は左下臼歯部にストローマンインプラントを植立しました。

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   完全なフラップレスではないですが、骨幅を確認できる程度に歯槽頂部の歯肉をごくわずかに切開し、左下6相当部にストローマンインプラントを植立しました。

出来る限り低侵襲をこころがけているので、骨幅を肉眼で確認出来る程度の最小限度の歯槽頂切開だけで植立オペを行いました。
 
 
 
 
 
 
 
 

今日は高度歯周病で抜歯した後に生じる著しい骨欠損への対処法について考えました。

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1 左下12は高度に進行した歯周病で、抜歯が必要と考えています。

抜歯後に生じる著しい歯槽骨欠損を、どうやって回復させるか?垂直的な骨造成が必要です。  

 

 

 

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 2 その方法の一案として、抜歯後、直ちにGBRを行うことを考えています。

骨補填材が如何に唇舌側の歯肉骨膜弁に守られて移植されたその状態を保持できるか、が鍵です。
低侵襲ではなくなってしまうけれど、減張切開を加え、移植材を補填した後、粘膜骨膜弁で閉鎖してしまうのが基本だろうと思います。即時インプラントはちょっと勇気がいりそうです。   

 

 

 

今日は下顎前歯8本のジルコニアセラミックスのフレームトライを行いました。

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1 ラボから右下④③21左下12③④の8本のブリッジのジルコニアセラミックスフレームが届けられました。

 

 

 

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 2 以前はセラミックス単体ではこの様なロングスパンのブリッジは強度不足で設計が困難でしたが、現在ではジルコニアセラミックスの強度が充分信頼に足ることがわかり、オールセラミックでこの様な長いブリッジの製作が可能になって来ました。

 

 

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3 支台歯との適合は良好で、探針で触れても支台歯とセラミックスとの境目の段差は感じられませんでした。 

 

 

 

 

 

今日は下顎臼歯に二本、オールセラミック冠をセットしました。

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1 アトリエココロから右写真の様なオールセラミック冠(e-maxプレスクラウン ・レイヤリングおよびステイニング)が届けられました。 

 

 

 

 

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2 支台歯の右下6です(失活歯)。 

 

 

 

 

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3 この上にオールセラミック冠を装着したところです。

前後の歯はメタル冠ですが、やはりメタル冠よりも美しい。

 

 

 

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4 支台歯の左下5です(失活歯)。 

 

 

 

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 5  この上にオールセラミック冠を装着したところ。

オールセラミック冠は表面が滑沢でプラークが付きにくい、金属イオンが溶け出さないので金属アレルギーの心配もない、等いろいろメリットはありますが、やはり美しいことが最大のメリットです。
そして、美しいことこそが最も患者様がこの歯を大切にしてくださる原動力につながると確信しています。
美しいものを不快に思う人などいらっしゃらないのですから。美しい歯を口の中に入れると、生き生きと元気になります。

 

 

今日は左下顎臼歯部に三本のインプラントを植立しました。

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1 術前のCT検査を用いたランドマークシステムによるシミュレーションでは、左下6相当部の歯槽骨はかなり狭く、アストラテックインプラント4.5 11mmが普通では入りそうにありませんでした。 

 

 

 

 

 

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2 左下7相当部も同様に、アストラテックインプラント4.5 11mmが歯槽骨からはみ出してしまいます。  

 

 

 

 

 

 

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 3 そこで、歯槽部にスプリットを加え、くさび効果で緩やかに骨幅を拡大する方法を試みました。

この方法である程度、骨幅は拡大出来ましたが、歯槽頂部と根尖部とで骨幅のギャップが大き過ぎ、スプリットによる拡大効果には限界がありました。
そこで、歯槽骨縁を2ミリほど削合することでインプラント頸部の周囲骨を確保することが出来ました。 

 

 

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4 つまりシミュレーションのインプラント位置より、実際は2ミリ深く埋めたのです。

インプラントの植立方向さえ変えなければ、2ミリ根尖側に進行させても下顎管はそこには存在しない、十分逃げられるという判断で行いました。

 

 

 

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5 術後のパノラマXPでは、インプラントの先端と下顎管とが接近しているように見えますが、実際は接触していません。

この様な判断が出来るのは、術前にCT検査を行っているからです。
このようなケースを経験するにつけ、インプラント手術においてはCT検査が必須であることをあらためて確信します。
翌日の経過観察では、この患者さんの術部の腫脹や痛みは極めて経度で、知覚麻痺などは全く認められませんでした。

 

 

 

今日はインプラントの上部に乗せるクラウンのフレーム試適をしました。

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1 右下6相当部のアストラテックインプラントの上部に乗せるセラモメタル冠のフレーム部分がアトリエココロから届けられました。

 

 

 

 

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2 インプラント上部冠はアバットメントと呼ばれるパーツを介してインプラント体に接続されます。

右写真は“タイデザイン”と呼ばれるアストラテックインプラントの既製アバットメントが石膏模型内のインプラント体アナログに接続された作業模型です。

 

 

 

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 3 メタルフレームの形態はこのようになっています。

粘膜面の形態はインプラント周囲の清掃性と密接に関係するので、特に気を配らなければなりません。 

 

 

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4 この様なジグを作製してもらって、模型上のメタルフレームを口腔内にトランスファーします。

メタルフレームと前後の歯との位置関係を規定するツールです。
この位置関係が、口腔内で正確に再現されれば、模型と口腔内とが完全に一致していることを保証してくれます。     

 

 

 

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5 ジグを用いて口腔にトランスファーすると、アバットメントとインプラントと両隣在歯との三次元的位置関係は完全に再現されました

正確に作業模型が作製されていたことを示しています。

 

 

 

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 6 咬合採得を再度確認しておきます。

他の歯が正確に嵌合している状態で、技工作業の対象補綴物の対合歯咬合面との正確な位置関係をチェックする必要があります。  
 

 

 

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 7 アストラテックインプラントの上に、アバットメントを介して、メタルフレームが正確に適合しています。

また粘膜に向かい合う基底面は清掃性がよいラッパ型の形態になっています。
シンプルな単冠の製作ではありますが、単純なケースであるほど基本に忠実に作製することがもっと大掛かりな補綴物の精度を測る重要な目安になると考えています。
そして、精度の高いデンタルラボでなければ、患者さんの口腔を快適なものに導いていくデンタルクリニックとのコラボレーションは出来ないのです。
 
 
 
 
 

今日は安藤忠雄の「仕事をつくる」(日本経済出版社)を読みました。

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1  疲れた時には安藤忠雄の本を読むとよい。元気が出るのだ。
最近、忙しくしていたことと、歯科界の閉塞状況を突破する元気が少し萎えかかったところだったので、本書を読んだのだ。
 
 
2  本書に限らず、安藤忠雄の本にはいつも元気づけられる。
学歴も社会的基盤もないところから、世界的建築家になった氏の生き方に、セールスの神髄を感じる。
創り手の熱い魂が人を感動させ、氏に仕事を依頼する行動を起こさせる。
 
 歯科の仕事も建築家の仕事と共通のものがある。
こういう口腔を作り上げたいという情熱が、患者がいようといまいと、勝手にある状況にある口腔を想定し、それに対して治療計画を考案し、プレゼンをし、その優れた面を社会にアピールする。
それは、建築家にも歯科医にも共通する仕事をつくりだす極意だろう。  

 

 

 

 

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3  というわけで、僕のオフィスも安藤忠雄建築研究所同様、コンクリート打ちっぱなしだ。
そして、歯周病インプラント研究所の看板を掲げている。
 
 僕も尊敬する安藤忠雄のスピリッツを見習って社会に挑みたい。
歯科の実力の凄さを世に分かってもらうために、生涯かけて挑戦的に生きていきたい。
 
本日撮影した、高松市花ノ宮町にある中山歯科クリニック外観。 

 

 

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