TCH(Tooth Contacting Habit 上下歯列接触癖)は臨床でよく遭遇する.TCHとは,食事以外の時に上下の歯列を接触させる癖のことで,知覚過敏や歯の慢性咬合痛,歯冠破折,歯周病の悪化,顎関節症などの原因になるといわれている.だから,口腔の健康のためには良くない習慣だ.改善することが望ましい.
その存在がなぜ,一瞥しただけでわかるかというと,頬粘膜が咬合面に沿って,口腔の入り口側から喉側に向かって,筋状に白く隆起しているからである.
この習慣のマイナス効果を正確に患者に伝えられるのは歯科医師しかいないので,これを見つけるたびに,この習慣をやめるように指導している.具体的には,その為害性を患者さん自身に認識していただき,自らやめるように努力することを促すのである.