2016年10月23日 インプラント周囲炎について インプラント周囲炎は,現在のインプラント治療が直面する最大の問題です.歯周病が原因で歯を失った人に対して行ったインプラントの方が,歯周病以外の原因でインプラント治療になった場合よりも,その発症頻度がはるかに高いことが知られています.その直接原因は,天然歯同様,歯周病菌がインプラント周囲歯肉に感染することですが,間接原因としては,喫煙習慣や糖尿病が代表的なものです.それ以外の局所的原因としては,最低2ミリの角化歯肉幅の欠落や,GBR(骨誘導再生法)が完全に成功していないこと,などがあげられます. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25622536 いずれにしても,歯周病で歯を失った後にインプラント治療を行う場合は,それに先だって,しっかりした歯周治療を先行して行うべきであることがコンセンサスとして確立しています.