こんにちは。高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」です。
「口を開けるときに音が鳴る」「痛くて大きく口を開けられない」と感じたことはありませんか。これらの症状がある場合、顎関節症を発症している可能性があります。「我慢できる痛みだから」と、顎関節症を放置している人もいるのではないでしょうか。
初期は軽度な症状でも、放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、慢性的な耳鳴りや頭痛など、身体の不調につながる恐れがあります。身近な疾患のひとつですが、何らかの異常を感じても放置している方が少なくありません。
今回は、顎関節症がどのような疾患かについて詳しく解説します。原因や放置するリスク、さらには治療法についてもまとめているので、顎に違和感のある方はぜひ参考にしてください。
顎関節症とは

顎の関節やその周辺の筋肉や靭帯に異常が生じることで発症する疾患が、顎関節症です。日本人の半数近くの人が一度は経験するといわれているほど、身近な疾患のひとつです。
個人差があるものの、人によっては痛みが慢性化したり、生活に支障が出るケースもあるので注意する必要があります。
顎関節症の症状
顎関節症になると、どのような症状が現れるのでしょうか。
顎周辺の痛み
初期症状として、顎が疲れたり痛みが出るのが代表的な症状のひとつです。口を大きく開ける際に痛みを感じたり、顎関節に慢性的な痛みや違和感が生じたりすることがあるでしょう。また、痛みだけでなくだるさを感じるのも顎関節症の特徴です。
食べ物を噛むと顎が疲れやすい、何らかの違和感があるなど、異常を感じたら、症状が悪化する前に歯科医院を受診するようにしましょう。
口を開ける際に音がする
口を開けるとき、カクカク・ポキポキといった音が鳴る場合があります。この音はクリック音と呼ばれ、顎関節にある関節円板が前方にずれ、関節が滑らかに動かなくなることで発生します。
クリック音が鳴るだけで痛みのない方もいますが、痛みを併発するケースも少なくありません。
口の開閉が制限される
症状が進行すると、口を大きく開ける動作に制限が生じます。日常的な食事や会話に大きな影響を及ぼす可能性があるでしょう。
口が十分に開けられないため、食事の際の一口分が少なくなったり、会話時に話しにくくなったりすることも多いです。表情を変えにくくなるなど、日常的なコミュニケーションにも支障が出る可能性が高いです。
また、くしゃみやあくびなどの生理現象で痛みや不快感を覚えるなど、さまざまな問題が生じやすいです。
顎関節症になる原因

顎関節症の原因はいくつもあり、複数の要因が重なって発症すると考えられています。主な原因は、以下のとおりです。
噛み合わせが悪い
代表的な原因のひとつに、噛み合わせの異常が挙げられます。上下の歯が均等に噛み合っていないと片方に負担がかかり、顎関節症を発症する可能性があります。
また、むし歯などで抜歯すると、噛み合わせにも悪影響を及ぼす可能性が高いです。顎関節症を未然に防ぐためにも、定期的な健康診断を欠かさないようにしましょう。
ストレスや緊張
過度なストレスと顎関節症には、大きな関係性があるとされています。身体に過度なストレスがかかると、無意識に歯を食いしばったり筋肉が緊張することが多くなるためです。
食いしばりは、脳がストレスを発散させるために行う生理現象の場合があり、この場合やめるのは難しいです。
ストレスによる筋肉の緊張が顎の筋肉にも影響を及ぼし、結果として顎関節症の症状が現れることがあります。スポーツや仕事などで緊張状態や集中している状態が続き、日中に無意識に歯を食いしばっている人も、顎関節症を発症する可能性が高いです。
片側だけで噛む癖がある
左右均等に噛むことができず、常に片側だけで噛む癖があると顎関節に偏った力がかかります。これにより、関節や周囲の筋肉に不均一な負担がかかり、長期的には顎関節のバランスが崩れて痛みや違和感が発生することがあります。
悪い姿勢
日常的な姿勢はもちろん、寝ているときの姿勢の悪さも、顎関節症の発症に関係しています。具体的には、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による猫背、うつぶせ寝などが挙げられます。
特に、猫背は顎の可動域が狭くなるため、猫背の状態のまま顎を動かすと負担がかかってしまいます。姿勢の悪さにより首や肩に負担がかかると、必然的に顎関節症になるリスクが高くなるでしょう。
外傷
転倒やスポーツでの衝突、事故などで顎に衝撃を受けたことが原因で、顎関節症の症状が現れることがあります。顎関節が炎症を起こしたり、関節の変形につながるダメージが残ったりするためです。
数日で症状が治まるケースもありますが、慢性的な顎関節症になる可能性があるため放置しないように注意しましょう。外傷後は、早期の診断と治療が不可欠です。
顎関節症を放置するとどのようなリスクがある?

顎関節症を放置すると、様々な症状を引き起こす可能性があります。ここでは、放置するリスクについてまとめました。
顎の開閉が困難になる
顎関節症を放置して悪化すると、顎の動きが制限され口を大きく開けることが難しくなったり、開口障害が起こったりする可能性があります。日常的な行動に大きな支障をもたらし、進行すると口がほとんど開かなくなって食事すら困難になることがあります。
このような状態が続くと、顎の痛みだけでなく栄養不足や体重減少などの健康問題に発展する可能性があります。
全身症状を引き起こす
何もせず放置していると、全身の不調に発展する危険性があるので注意しましょう。頭の重さは体重の約10%あるとされており、顎関節や顎は、頭を支え身体のバランスを保つ重要な役割を果たしています。
噛み合わせが悪化すると、顔面だけでなく肩や腰、手足など全身にまでさまざまな症状が出る可能性があるので注意が必要です。
精神状態の悪化
症状が悪化すると、顎の痛みや肩こり、頭痛などさまざまな症状が引き起こされることで、精神的に疲弊する恐れがあります。さらに、食事や会話などコミュニケーションに支障が出ると、社会的な活動にも消極的になってしまうかもしれません。
顎関節症はどうやって治療する?

治療法は、顎関節症の原因や症状によって異なります。また、歯科医院によっても治療法が異なることがあるため、事前に確認しておきましょう。
薬物療法
強い痛みが発生している場合は、薬物療法を用いることがあります。消炎鎮痛剤を使用すると炎症や痛みを軽減でき、筋弛緩薬は緊張した筋肉をほぐす効果があります。
しかし、薬物療法は症状を一時的に和らげるものであり、根本的な原因を改善することはできません。薬を使用する際は医師の指示に従い、適切な量を服用することが重要です。
マッサージ
顎周りの筋肉の凝りを改善するために、マッサージを取り入れるとよいでしょう。手や指を使用して顎の筋肉を軽く押しながら、円を描くようにほぐすことで血流を促しましょう。
また、専用の機械を使用して患部に刺激を与えたり、温めたタオルを顎に当てる温熱療法も有効です。血流が良くなり、痛みが和らぐだけでなく、日常的な不快感を軽減できるでしょう。
スプリント療法
スプリント療法は、患者様の症状に合わせて作製した専用のマウスピースを装着して顎関節症の症状を改善する治療法です。就寝中にスプリントを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによって顎に加わる圧力を軽減できます。
生活習慣の改善
顎関節症の治療や予防において、生活習慣を見直すことは非常に重要です。特に、硬い食べ物を避け、柔らかい食べ物を摂取するように心がけると、顎関節や周辺の筋肉への負担を軽減できるでしょう。
また、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用時に、正しい姿勢を意識することも重要です。悪い姿勢は顎に不自然な力をかける原因となるため、常に注意するように心がけましょう。
ストレスが原因で歯ぎしりや食いしばりが起こる可能性があるため、ストレスを溜めないことも大切です。定期的にリラクゼーションを取り入れるなどして、心身をリフレッシュしましょう。
手術する
顎関節症が重度で、他の治療を施しても十分な効果が得られなかった場合、手術も選択肢のひとつになります。手術はリスクが伴うため、歯科医師と十分に相談して慎重に決定するようにしましょう。
まとめ

顎関節症は、顎や周囲の筋肉、関節に痛みや違和感をもたらし、食事や会話などの日常生活に支障をきたします。顎の筋肉への負担や外部からの衝撃による怪我などが主な原因として挙げられます。
初期段階では大した症状がなくても、放置すると顎が痛くなったり、口が開きにくくなったりすることがあります。顎関節症の症状があるにも関わらず、長期間放置すると全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、患者様自身に合う治療法を見つけて早期に対処しましょう。
顎関節症の治療を検討されている方は、高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、全身の健康と長寿に貢献できる長期的な視点をもった治療を行っています。専門的な歯周病治療だけでなく、予防歯科、虫歯治療、インプラント、ホワイトニングなど、さまざまな診療を行っております。
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