今日は日本臨床歯周病学会から歯周インプラント認定医のサーティフィケートをいただいたので、テーマはインプラント周囲炎にする。
インプラント周囲炎は多くの細菌が関与することがわかっていたが、その起炎菌に関しては天然歯の歯周炎を引き起こす歯周病原菌と同様とする報告と、一般の歯周炎とは若干菌種が異なる、とする報告の両者が存在していた。最近、多くのインプラント周囲炎の起炎菌に関して、科学的根拠が強力とされているシステマティックレビューのメタアナリシス解析から、ほぼ5つの菌種が浮かび上がったことが報告されている(1)。
その報告によると、インプラント周囲炎の起炎菌として以下の5つの細菌が関係する。すなわち、Porphyromonas gingivalis, Treponema denticola, Tannerella forthysia, Prevotella intermedia, Campylobacter rectusの5つだ。このうち、前3者はレッドコンプレックスと呼ばれるものであり、後2者はオレンジコンプレックスと呼ばれるもので、天然歯の歯周病の起炎菌としてよく知られている 。
現在、インプラント周囲炎の治療プロトコールは確立されていないが、天然歯の歯周炎の起炎菌の特定が歯周炎の治療法を確立した通り、インプラント周囲炎の起炎菌の特定が、やはり治療プロトコールの確立につながることと思う。
参考文献(1):