今日は,地元高松市で開催された日本口腔インプラント学会中国四国支部学術大会でインプラント周囲炎に関する発表をさせてもらったので,インプラント周囲炎について書きたい. インプラント周囲炎を起こしているインプラント周囲ポケットから検出される細菌は,概ね,天然歯の歯周病を発症している歯周病原菌と変わりない. Pg(Porphyromonas gingivalis) ,Tf ( Tannerella forsythia) ,Td (Treponema denticola) を中心とした細菌叢が検出されている.そして,インプラント周囲炎を起こしているインプラント周囲ポケットからはBOP(歯肉出血 Bleeding on Probing)が認められることも天然歯同様だ.つまり,インプラント周囲炎を引き起こす細菌は,隣在する天然歯に存在する歯周病原菌が感染しているのだ.だから,インプラント周囲炎の予防のためには,インプラント治療に先立って,天然歯の歯周治療を完了させておくことが極めて重要ということだ.