12月19日(土)、高松市歯科医師会の第3回学術講演会の講師として、歯科の強力サポーターとして今話題の糖尿病内科医 西田 亙先生がご登壇されると聞き、喜び勇んで駆けつけました。タイトルは「未病発症から国民を守る歯科医療~糖尿病から早期低体重児出産まで~」です。
内容はとても素晴らしいものでした。歯周病患者数8000万人、糖尿病患者数2000万人、この数字に対して歯周病学会も糖尿病学会もこれらの疾患を治せていないことに対して先ずは謙虚に国民に詫びなければならない、というインパクトのある内容から始まる講演会は、歯科界にとっても私個人にとっても極めて示唆に富むものでした。
私はかねてから歯科が現在以上に発展するためのいくつかの方法の中で、医科歯科連携が一つのキーワードだと思ってきました。そして、現時点で、歯周病と糖尿病が相互に影響を与え合うという事実にはエヴィデンスレベルの強い下支えがあり、医科と歯科が協力し合える良い局面と認識していました。しかし、私個人としては、そのことはアイデアにとどまり、実践に至っていなかった面があります。しかし、本日の熱い講演を聞かせていただき、これから積極的に歯科医師の立場から糖尿病医療に貢献したいと思いました。西田 亙先生のように、もしかしたら一般の歯科医師以上にペリオに詳しいかもしれない医師が存在するように、一般の医師以上に糖尿病に詳しい歯科医師がいてもいいかもしれない。だから、明日から猛烈に糖尿病に関する勉強をしたいと思います。
それ以外にも、いくつもの印象深いヒントを頂いたように思います。それは、医療者は言葉の使い方には敏感でなければいけないとおっしゃったこと。それは、言い換えれば医療者はメッセージを発信する立場にあるのだ、ということをおっしゃっておられると思います。私も同感です。人の心に入っていくには確かに適切な言語が必要と思います。言語に鈍感ではいい医師や歯科医師にはなれないと思います。
また、本気で語るとそれが人に伝わることも強く印象付けられました。”僕は生まれ変わったら歯科衛生士になりたい!”という発言は単なるリップサービスではなさそうですし、なぜ西田先生が歯科の力を高く評価していただけるのか、その理由が分かりました。内科医師としても、個人としても口腔ケアの威力を体験を通して実感して来られたからなのですね。自身の体験をベースに本気で語ると、その訴えが随分力を持つことがよく分かりました。
その他、医療講演会ではありましたが、一種の自己啓発セミナーや経営セミナーとしても通用するヒントになる内容が随所に盛り込まれており、歯科衛生士さんが聞いても、歯科医師が聞いても、いろいろな面でためになる話が満載の講演会でありました。凄く参加できてよかったです。