親知らずは必ずしも抜歯しなければいけないとは限りませんが、抜歯すべきか、しなくてもよいかは、その親知らずの生え方によります。中途半端に顔をのぞかせ、プラークの停滞の原因となる場合は抜歯した方が良いです。手前の第二大臼歯の存続を脅かすことがあるからです。
今日のケースでは、智歯周囲炎の原因となった親知らずを抜歯しても、手前の7番の遠心根面に大きな齲蝕が認められます。7番は歯髄炎を起こしており、根管治療を行う必要があるのですが、根面齲蝕が骨内に及ぶ場合は、歯を挺出させない限り完全な根管治療が不可能となり、結局抜歯となる可能性があります。ですから、放置すると手前の7番が齲蝕でダメになるような場合は、親知らずを早めに抜いておくことは良いことです。