本日は、広島市中区RCC文化センターで開催された「セレックデジタルデンティストリーセミナー」を受講してきました。
広島駅から路面電車に乗って10分ほどで会場に到着しました。
本日の講師は姫路市でご開業されている北道敏行先生です。
北道先生のセレックセミナーは2年前にも玉井歯科商店高松支店の研修室で聴講しており、本日は2回目です。
とても話が面白く、そして分かりやすく、しかも国際コンピューター歯科学会公認セレックインストラクターを務めておられるだけに学術レベルもしっかりとしておられ、エビデンスを示してお話しされるのでとてもハイクオリティーの内容でした。
メタルフリーデンティストリー(金属を使用せずセラミックを使用する歯科医療)は金属冠を使用する保険医療に比較して、1)金属アレルギーを引き起こさないこと、2)細菌の付着が金属冠よりも少なくウ蝕や歯周病をコントロールし易いこと、3)生体に優しいこと、4)銀歯ではなく天然歯と同じ白い色のセラミックを使用するので審美的なこと、5)セラミックは接着性レジンで歯に接着させることを前提とするので、旧式セメントで合着するメタル修復物よりも長持ちする、などの長所があります。
さらに、ペリオを一生懸命やっている僕としては、セレックが読み取れる支台歯形成マージンは歯肉縁上でなければならないことがあると思います。
光学印象(スキャナーで形成面を読み取る印象法)は形成限界が歯肉より上方でなければ正確に読み取れないからです。だからセラミック修復物マージンは歯肉縁上になります。
メタルフリーデンティストリーが従来の歯科医療に対して圧倒的に優位性を持つのはマージンが歯肉縁上に来ても目立たないので審美的である点でしょう。
実は歯冠修復物のマージンは歯肉縁上に設定された方が、理論的には絶対に歯周病を制御し易いといえます。
細菌の多く存在するポケット内に、多少ともギャップが発生することが避けられない修復物と歯面との界面をあえて設置することは細菌のコントロールの観点からは絶対に不利です。
キュレット(プラークや歯石を除去するツール)は滑らかな歯面の上を擦るからこそ上手く操作できるのです。
歯肉縁上でなら肉眼で見ることができるので、修復物と歯面との界面のキュレット操作もうまくできます。
したがって、歯肉縁上マージンを標準とする(ただし審美領域では歯肉縁下に入れることもある)セラミックを使用するメタルフリーデンティストリーは歯周病予防の観点からも生体にやさしいといえます。
セミナーの後は、広島駅ビル2階食堂街のお好み焼き屋さんで、ビールを飲みながらスペシャル焼きを食べ、なごみました。