このパノラマXPはサイナスリフトを行う前の写真。
左上顎洞底は歯槽頂と極めて接近しており、1ミリ以下でした(破線:洞底、実線:歯槽頂)。
同部にサイナスリフトを実施し、その後、二期的にインプラントを植立しました。
本日、オステルメンターで同部のISQ値を測定したところ、3本のインプラントのうち、1本は50台、別の1本は40台の数値でした。
インプラントを植立して6カ月以上経過しているのに、まだ安心してロードさせるレベルに達していません。
骨補填剤はベータTCPとハイドロキシアパタイトを1:1に混和したものを用いていますが、インプラント周囲のほとんどの骨が移植した人工骨の場合、インプラントサーフェイスに自家骨がやって来るにはずいぶん時間がかかる様です。
最近、上顎洞に骨補填剤を入れない方が結果的にインプラント周囲に早く骨がやって来るという報告があり、注目を集めています。超音波でシュナイダー膜を挙上しておいて、洞底に突出したインプラント周囲にフィブリンゲルを留置しておく方法です。洞底にインプラントを固定できる若干の骨があればこれでもよいかもしれません。