本日は、歯周病のために歯槽骨による支持を失って動揺している歯をスーパーボンドで暫間固定しました(矢印)。
“左で咬みにくい”“なんとなくしみる感じがする”という訴えに対応したものです。
本ケースでは、歯周病の初期治療はすでに完了しており、すべての部位の歯周ポケットは3ミリ以下です。
左右臼歯部の歯の欠損部にはインプラントを植立し、咬合支持を確保しているのですが、上記の症状がまだあります。
これは、左上345の炎症は消失しているけれども支持骨の喪失があり、それが同部の歯の動揺をきたしていることから、上記の症状につながっているのだろうと判断しました。
左上67の2本のインプラントの上には連結冠を、左下67の2本の天然歯にも連結冠を装着して咬合させています。
大臼歯部の垂直的な咬合圧に対してはインプラントが充分支えていると思うのですが、犬歯と小臼歯が動揺していることより、この部が側方的な限界運動やくいしばりの際に歯の位置が移動し、上記症状を惹き起こしているのかもしれません。本日の暫間固定処置でしばらく様子を見たいと思います。