本日は、高松市歯科救急医療センタで、平成24年度第3回高松市歯科医師会学術講演会が開催されました。
今回のテーマはエンドで、お招きした講師の先生は、「クリニカルエンドドントロジー」の著者としてご高名な東京医科歯科大学の小林千尋先生です。
小林先生の20年にも及ぶ長期の経過観察によれば、注意深い根管治療で一旦治癒したように見えても、10年経過した時点で根尖病巣が再発するケースが結構あることより、消毒剤で細菌を消滅させる事は困難と思われ、むしろ洗浄を徹底することで細菌量を減らすことを狙う方が合理的である、というコンセプトを披露されました。
天然歯で咬むことの意義は絶大です。
天然歯には歯根膜が存在し、その歯根膜が圧受容器として歯に加わる咬合力を求心性に中枢に知らせ、中枢から逆に咀嚼筋に対して適切な力で咬むように遠心性の制御がかかります。
歯根膜センサーの存在が中枢の咀嚼運動の絶妙なコントロールをうまく調節しているわけですから、咀嚼運動の全身健康にもたらす大きな効果を考えると、天然歯を残すために行うエンドの治療は歯科医療のコアの部分だと思います。
小林先生にはあらためてエンドの重要性について考えるよい機会を頂き、感謝です。