初診時のパノラマXPです。
上顎前歯は動揺しており、臼歯部の多くの歯は欠損しています。
初診時口腔内。
プラークの付着により、歯周病とウ蝕に罹患し、歯を失ってきたことがわかります。
初診時上顎咬合面観です。
同下顎咬合面観。
臼歯部の咬合が喪失しているので、咬合が崩壊しています。
この状態から、インプラントで、しっかり咬めてきれいな歯列を創っていく計画を立てました。
保存不能の歯は抜歯しますが、即時に暫間義歯を装着できるよう、抜歯前に咬合採得を行いました。
このあたりが咬めそうな位置だろうと思える位置を、術者が決めます。この場合、右上下7の咬頭嵌合が残っていたので、これを参考にややバイトアップした位置で咬合採得しました。
軟化パラフィンで採得した顎位を石膏模型に付与します。
模型上で作製された上顎総義歯の即時義歯です。
下顎は右下765の歯冠咬合面が崩壊していたので、シェルで同部の咬合面形態を再現しておきます。
抜歯後、直ちに装着する上顎即時義歯です。
前歯部の人工歯部に特徴を持たせています。
一方、左下顎臼歯部はクラスプとレストを持った通常の部分義歯を暫間義歯として作製しました。
右下765咬合面に接着するレジン製のシェル(不足した歯冠実質を補うパーツ)です。
抜歯前に、抜歯後即時に咬合出来るようにこういったパーツや仮義歯を準備しておきます。
そして、一気に上顎のすべての歯を抜歯しました。
即時に、上下顎に暫間用総義歯、および部分義歯を装着しました。
下顎前歯の切端部は磨耗しているうえに今回、バイトアップしているため、上下前歯は接触していません。
しかし、両側臼歯部は咬頭嵌合しているので、なんとか顎位を安定させることが出来ました。
この顎位が中心位である保証はありませんが、今後、経過を見ながら安定した顎位を探っていく予定です。