左下第一大臼歯は近心根が破折し、歯根周囲の歯槽骨は大きく吸収しています。
抜歯をし、抜歯窩の不良肉芽を30分ほど時間をかけて徹底的にソウハしました。
ソウハが完了した抜歯窩です。
頬側の骨壁は根尖まで消失しています。
将来、インプラントを予定しているので、このままでは骨が不足してしまいます。
ですから、直ちにGBRを行いました。
使用した骨補填材です。
FDBAとアパセラムAXを1:1に混合したものにエムドゲインゲルを加えたものを骨補填材としました。
今回は、完全自己血由来の多血小板血漿を作製する過程で得られるフィブリンゲルをメンブレンとして用いました。
得られたフィブリンゲルを圧延すると、弾力性に富んだ、丈夫なメンブレンが出来上がりました。
このメンブレンを2枚用いて、充填した補填材を被覆しました。
抜歯窩なので減張切開を加えない限り周囲粘膜が不足して閉鎖創にはできません。
そこで開放創をメンブレンで保護するかたちとなりました。
周囲粘膜同士を先ず縫合し、続いてメンブレンを周囲粘膜と縫合しました。
術後のデンタルXPです。