約1年前に、一番上のデンタルXPに示すように歯周病とウ蝕に同時に罹患していた左上1に対して、抜歯と同時にソケットプリザベーションを施しました。
その結果、現在、同部の抜歯後の状態は、歯槽幅はまずまずであるものの、高さがやや不足しています。
そこで、本日、同部に再びGBRを行いました。
エンベロプフラップを開けると、唇舌的歯槽幅は7ミリありましたが、水平的にも、垂直的にも、もう少しだけ骨のボリュームアップが望まれます。
本日、使用した補填材は、FDBAとエムドゲインゲルとを混和したものです。
エムドゲインゲルはゲル状なので、これを補填材と混和すると、適当な粘度が与えられ、操作性が向上します。
これを骨を造成したい歯槽骨の上に積み上げます。
そして吸収性メンブレンでカバーした後、粘膜弁を復位し、高密度PTFE 糸で縫合します。
骨のボリュームが増大した分、当然、閉鎖創にはならず、大きく膜が露出した状態となります。
膜の露出部分の上にコラーゲンシートを圧接し、このコラーゲン創をさらにモノフィラメントのナイロン糸で縫合し、リテンションをかけます。
このコラーゲンの留置は創の最表層を保護する目的で使用したのですが、この目的には、今手元には作製設備がないのですが、自己血から作製するPRPやPRGF,PRF、CGFなどのフィブリンがよいかも知れません。
高度に進行した歯周病の治療として抜歯を選択した場合、委縮した歯槽骨のボリュームの回復は歯周治療の課題の重要なひとつと考えるので、この技術の確立は歯周病とインプラント治療を専門として取り組む者には極めて重要でしょう。