今夜はリーガホテルゼスト高松に於いて、高松市歯科医師会と高松市薬剤師会との合同理事会が開催されました。冒頭で、両会から1題ずつ、最近の話題に関するささやかなプレゼンが交わされました。
歯科医師会からは、学術担当理事である私が、「ビスホスホネート製剤による顎骨壊死メカニズムに関する最新の知見」と題したプチプレゼンをさせて頂きました。
私の発表の趣旨は、ビスホスホネート製剤は破骨細胞に特異的に作用することで骨吸収を抑制すると考えられてきたが、最近の骨代謝学の知見によれば、破骨細胞と骨芽細胞は相互に影響し合っていることが明らかであること、またビスホスホネートが骨芽細胞にも直接影響を及ぼしているとの報告が出始めていることより、ビスホスホネートは破骨細胞だけに作用しているのではなく、同時に骨芽細胞にも作用を及ぼしていることが強く示唆されてきていることを考慮すると、骨の脆弱化を防止するための本薬剤は、骨をさらに脆弱化させる可能性を併せ持つ両刃の剣の性格をもつ薬剤ある、というものでした。
そういった結論を引き出すために私はその論拠として、基礎的観点からは骨芽細胞と破骨細胞が相互に影響を及ぼしている分子モデルを、臨床的観点からはビスホスホネート製剤を服用している患者では、非服用患者に比較して、大腿骨骨幹部の非定型骨折の発症率が高いという事実を登場させました。
けっこうバタバタと忙しくしている日々のはずなのに、こういった仕事になると時間のたつのを忘れてプレゼンの資料作りに熱中してしまう私です。