左上7の遠心には深い骨内欠損があり、今回、同部の歯周再生療法を行いました。
フラップを開けてみると、7の遠心に、深さはほぼ根尖付近に及ぶ程度の3壁性の骨内欠損が認められました。
骨内欠損部に充満していた不良肉芽を徹底的にソウハしたあと、根面をキレーティングし、“エムドゲインゲル”を骨欠損の底部および根面に塗布しました。続いてエムドゲインを混和した人工骨を欠損部に補填し、さらに改めてエムドゲインをその人工骨上面に塗布します。最後に、コラーゲンで最表層を覆い、粘膜骨膜弁を元に戻して、水平マットレスおよび垂直マットレス縫合変法で緊密に創面を縫い合わせ、オペを終了しました。
エムドゲインを骨内欠損の再生に用いる場合、骨補填材の併用の有効性に関しては、長期に観察すると、エムドゲイン単独の場合も、骨補填材併用の場合も、あまり骨再生量の程度に差がないとする報告があります。
しかし、骨再生量に差はないとしても、再生の足場として、あるいはエムドゲイのキャリアーとして、役立つのではないかと考え、今回は人工骨の併用を試みました。
術後のデンタルX線写真です。
オペ前にあった透過像が不透過像に置き換わっていることが、手術は正確に行えたと多少とも感じさせてもらえ、また将来はその様な具合に自前の骨が出来るイメージが捉えやすいことから、私の場合はエムドゲインに骨補填材を併用することが多いような気がします。