1 本ケースではインプラント植立前に両側のサイナスリフトを行っています。
今回、術前にCT撮影を行い、十分な骨量が確保されていることを確認し、そのDICOMデータを用いたシミュレーションソフト上でインプラント植立のシミュレーションを行いました 。
その結果、十分安全にインプラントが植立可能なことを確認 出来ました。
2 サージカルガイドを用いてシミュレーションと同じ位置に最も細い径のドリルでドリリングを行い、以後はハンドで操作するオーギュメーターを用いて徐々に埋入窩を拡大していきます。
サイナスリフトによって造骨した骨はまだやわらかいので、いきなりドリリングで最終径まで拡大してしまうと埋入窩が広くなり過ぎて、インプラントがグスグスになり十分な初期固定を得られなくなる可能性があるからです。
事前にCT撮影を行っていれば骨の形態が把握できているのでフラップを開く必要はなくなります。
粘膜の厚みを正確に計測しておき、アダプターの粘膜の厚みに一致する目盛りを記憶した後、その目盛りが粘膜縁に一致する深さまでインプラントをトルクレンチで埋めていきます。
フラップレスでインプラントを埋入出来るので、低侵襲オペが可能です。
3 インプラント植立後の口腔内写真とパノラマXPです。
フラップレスオペは、術中は細心の注意を払う必要がありますが、植立の完了が、即、インプラント手術の完了なので、手術時間を短縮でき、また低侵襲なので患者さんにも優しい手術となり、CAD/CAMテクノロジーが歯科にどんどん浸透しつつある現在、インプラント手術のこれからのトレンドとなるでしょう。