1 左上4は感染根管治療目的でメタルコアを除去時、根管壁を穿孔してしまいました。
歯根膜炎の症状が顕著に出現したため、長期予後を考え、これを抜歯、インプラントに置換する方針を立てました。
2 同歯のデンタルX線写真。
小さな根尖病変が見られ、 かつ近心根管壁が穿孔しています。
3 同歯の抜歯窩。
頬側の骨は根尖部は穿孔していましたが、歯頸部の辺縁骨は残存していました。
4 アストラテックインプラント4.0Sを直ちに植立。
ドリリングの起始点は、抜歯窩の口蓋側壁の上下的中央のあたりとしました。
すなわち、インプラントの先端が天然歯のそれよりやや口蓋側よりで、なおかつインプラントのプラットフォームが天然歯の歯冠の中央あたり位置させるためには、インプラント長軸は天然歯の長軸よりも歯冠側を外側に向けて傾斜させることになります。
初期固定はきつくもなく、緩くもなく、まずまずというところでした。
5 ヒーリングキャップを被せた後、インプラントと周囲骨壁との間の隙間にハイドロキシアパタイトを補填した後、歯頸部付近にはハイドロキシアパタイトの上に人工コラーゲンを詰め、さらにシリコン膜付きテルダーミスで被覆した後、周囲粘膜と縫合して顆粒が漏れないように補強しました。
6 インプラント植立後のデンタルX線写真です。
近遠心的には天然歯の位置に一致していますが、頬舌的には天然歯よりも外側に傾斜させて植立しています。