右写真は本日予定していたサイナスリフトのケースの術前CTです。矢印部分に脈管の走行を示す丸い透過像が見られます。
上顎洞外側壁の骨内を走行する後上歯槽動脈です。
通法通り、外側の骨壁を削合し、開窓を試みましたが、いつもよりも骨内からの出血が多いことからCTを再度眺めたところ、連続的な断層画面のすべてで骨壁内の動脈の走行をうかがわせる所見を認めたため、サイナスリフトを中止しました。
まれにこの様な動脈の走行が上顎骨の外側骨壁内に見られることがあるので要注意です。
ちなみに、本ケースでは歯槽頂から洞底までの距離がある程度残っているので、近いうちにソケットエレベーションでインプラントを植立する予定に変更しました。