1 右上⑦6⑤4③ジルコニアボンドブリッジのフレームがラボから届けられました。
右写真はその支台歯の模型です。
右上5の遠心側のやや陥没したところ(矢印)は、模型上では歯肉として取り扱われ、シリコンガムで作製されています。
2 ところが、実際の口腔内では、同部(矢印)は形成された歯根面なのです。
高度に進行した歯周病で歯槽骨が著しく吸収し、通常は骨で覆われている歯根の大部分が露出していました。
そして右上5の遠心の歯肉縁下の根面がカリエスになっていたため、徹底的に追求した結果、根尖近くの深いレベルに形成面が設定されてしまったものです。
3 同部のデンタルXPでは、削合されて露出した歯根象牙質はジルコニアフレームから棚状に斜め下方に飛び出した形で露出しています(矢印)。
この状態では、露出根面は塑造なのでプラークが溜まりやすく、将来二次カリエスになるでしょう。
しっかり歯磨きをしても、磨きにくい部分が最初から出来ていたら、患者さんの責任じゃないところで、その歯が悪くなっていくということです。
それはフェアーではないでしょう。
4 そこで少々レーザーで歯肉整形した後、局部的に再印象を採ることにしました。
バーで削ってザラザラとした面になった部分は、ツルツルしたセラミックで被覆してあげなければいけません。
そうでないと近い将来、この部分はプラークの沈着に起因する歯周炎やウ蝕を惹き起こすでしょう。
5 このように局部トレーで不適合部だけの再印象を行いました。
ポーセレンをアンダーの部分に築盛してもらうためです。