この患者さんが装着しているのは、当院で作製したごく一般的なスタビライゼーションタイプのスプリントです。装着する以前の咬み合わせはとても不安定で、肩こり、頭痛、などの身体症状だけでなく、憂鬱な気分などの精神症状もありました。装着後はこういった症状は消え、とても明るくなられ、もちろん大変に喜んでおられました。
咬み合わせの治療が健康面にもたらす絶大な効果をあらためて感じます。このような咬み合わせの心身におよぼす影響力の大きさを知るにつけ、現在のところ歯科が担当しているこの医療は、医学全体の中で扱われるべき医療へと変化していくでしょう。そして、なぜ咬み合わせを変化させると全身状態がここまで劇的に変化するのか、そのメカニズムの解明とともに、大きく“咬み合わせの医学”が脚光を浴びる日が来るでしょう。