10月4日の夜は高松市歯科救急医療センター4階大ホールで、学術部、医療管理・厚生部の両部が担当で高松市歯科医師会主催の講演会が開催されました。
私は両部を代表して、司会進行役を務めさせて頂きました。
あいかわらずのふつつかな進行でしたが、皆様のご協力、ご指導のおかげで、約100名の参加者を得、盛会に終えることが出来ましたこと、大変感謝です。
昨夜の講師は、香川短大名誉教授の北川博敏先生です。「生活習慣病と食育」と題した講演が行われました。
北川先生は香川大学農学部の元教授であられます。ご退官後は同大学名誉教授ならびに香川短大名誉学長をお勤めの傍ら、食育アドバイザーとして、現代人の食生活の危機的状況を訴え、生活習慣病を予防するための啓発活動を精力的に展開なさっていらっしゃいます。
日本はアメリカの後を追い、生活習慣病の大国となってしまった、食生活の欧米化がその原因である、そして成人と子供とどちらが脂肪を多くとり、どちらが食物繊維が不足しているかといえば、子供である。
多数の子供たちが生活習慣病の予備軍となっており、このままでは高齢化社会を支える30代、40代の健全な働き盛りがいなくなってしまうので日本は亡国の危機を迎えている、だからこそ食育の重要性を社会全体が今以上に強く認識しないといけない、というご趣旨の講演でした。
「食育」は歯科医療の原点であり、何のための歯科医療か、を改めて考える良い機会となりました。われわれ歯科医はよく咬めるように、きれいに歯が並ぶように日々腐心しています。
しかし、これからは、「ドリル、フィル、ビル」の修復作業に終始するだけでなく、何を食べるべきか、そのためにどのような咀嚼機能が必要なのか、さらには、食育を含めた食事指導にまで踏み込んだ歯科医療を展開出来るように舵を切る必要があると感じました。
最後に北川先生の最近の著書を紹介します。
「子どもを生活習慣病にしない食卓」
主婦の友社 2010
「続・グルメの哲学 日本は滅ぶ~小・中学生の三割が生活習慣病~」 美巧社、2007
「香川版グルメの哲学」 美巧社、 2000