ポンティックの形態は重要だ。その形態の違いによって、清掃性や食渣残留、発音、審美が異なって来るからである。これらの要素はいずれも重要なのだが、清掃性への配慮は特に重要である。なぜなら、ポンティック下方の粘膜面には、たとえハイポリッシュされたセラミックであったとしても、そして口腔清掃が良好であったとしても、セラミック表面と粘膜表面にはわんさか細菌叢が存在することがわかっているからだ。その細菌叢を調べてみると、むし歯や歯周病の原因菌がしっかり存在する(1)。つまり、ポンティックはアバットメント(支台歯)のカリエスとペリオのリスクファクターなのである。
したがって、ポンティックの清掃をどのようにして行うかが問題だが、清掃性を重視すると、歯間スペースを大きく開放し、歯間ブラシがスカスカに通るようにすればよい。なおかつ、フロスをポンティック下方に通過させ、ポンティック基底面を吊り上げるように上方にテンションをかけながら近遠心的にぬぐうような作業をすればよい。しかし、歯間スペースを大きく取ることは、食渣の停滞、発音時の空気の漏れ、審美性の低下を伴うことになり、清掃性とそれ以外の要素とは二律背反となる。
参考文献:
Rom J Morphol Embryol. 2013;54(2):361-4.
Pontic morphology as local risk factor in root decay and periodontal disease.
Dina MN1, Mărgărit R, Andrei OC.Rom J Morphol Embryol. 2013;54(2):361-4.